「さいってー。
近寄らないでくれる?もう我慢の限界、何回目だと思ってるの、どれだけ、どれだけわたしが!」
溢れる涙に声が詰まる。
付き合い始めて3ヶ月。
シリウスの浮気は、両手で数え切れないほどの回数になっていた。
彼の浮気癖は、咎めても許してもなにをしても、治らないのだ。
「ごめんな、」
「な、にが、ごめんな、なの?もう遅いよ、もうあたし諦めたの、貴方の帰りを待つのも、女物の甘ったるい匂いをつけて帰ってくるあなたとキスするのも、見てみぬふりをするのも、もういやなの!我慢出来ないの!」
「ごめんな、ユカ、でも、」
「もう、うんざりなの。」
「…わかった。」
「俺達、別れよう。」
「う、ん。」
言い訳は、なかった。
「じゃあ。」
そういって、貴方は泣きそうな顔で談話室を出ていった。
浮気したのはあなたなのに、あたしを振ったのはあなたなのに、
どうしてそんな悲しい顔をするの?
(泣きたいのはわたしのほう)
2010/02/08