聞いてくれよ!シリウス!
リリーってば可愛いんだ!
あーあーあー、はいはい。
(聞き飽きた聞き飽きた。)
ちょっといつもより深めにキスしたら顔真っ赤にしちゃって!
「ん、だめ、ジェームズ」とか言って!
もうあの惚けた顔のエロいことエロいこと。
キスの最中薄目を開けて見たんだけどさ、もう堪らないよ!全く!
ああリリー、初めてかなあ。
まあ君たちなんてあれだろ、もう四十八手も済んでるくらいだろ?
急かしたりして僕の可愛い彼女を傷つけるつもりはさらさらないけど、やっぱりちょっと羨ましいなあ…。
あれ、え、なんだって!
君たちまだキスもしてないのかい?
それはちょっと、意外というかなんと言うか、、いや、、ううん、、このシリウスがねえ。
なんだよその納得いかなそうな面は!
そうだよ、セックスどころかキスもしてねえよ!ハグ止まりだよ!悪いか!
いやいや、君はなーんにも悪くない。うん。
ということは僕の方が先輩という訳か。
うわっ!ちょっと!痛っ!ごめんごめん、悪かったって!
わかってるよ、ユカが大事すぎて手なんか出せたもんじゃないんだろ?
まあ僕としてもなんか安心してるったいうかなんていうか、嬉しいよ。
シリウスがすぐ手出してなくって。
ん?さっきと言ってることが違うって?
だって前のお前だったらそうだったじゃないか。付き合い始めたその日か次の日には済ませちゃってただろ。
そもそもユカはそんな簡単な女の子じゃないってわかってるけどさ。無垢で純粋で。
でもほんとに、あの子に出会って変わったよ。シリウス。
だから僕はすごく嬉しいよ。
…理性との戦いが見物だけど!
まあ、ゆっくり先に進めるといいね!
シリウスー!
わ、『噂をすれば影』だね。
さっ僕はお邪魔虫みたいだからリリーのところに行ってくるよ!
じゃあね!
(くっそジェームズあの野郎、あんな話しやがって!言い逃げかよ!)
ねえ、どしたのシリウス?お顔が真っ赤よ?
ジェームズは走って向こう行っちゃうし、変ね。
(あああああ!もう!)
青 少 年
2010/12/16