すべての授業が終わり、談話室は生徒で溢れている。
案の定、いつもの一角に彼等はいた。
あたしはそれを見つけて思わず駆け寄る。
「あたしもここ居ていい?」
「あれ、珍しいね。ユカ一人かい?」
「そうなの。リリーはマクゴナガル先生のところに行ってて。
なあにジェームズ、あたしじゃ不満なの?」
冗談混じりに言う。
知ってのとおりジェームズはリリーにお熱だ。
「そんなことないさ!
さあさあ、お手をどうぞレディ。」
「ありがとうジェームズ。」
ジェームズはわざとらしくあたしをシリウスの隣までエスコートすると、ニヤリと笑った。
それにつられてあたしも笑ってしまった。
「そういやムーニーもマクゴナガルに呼ばれてったな。」
「そうみたいね。監督生の仕事かしら。」
「それよりユカ、聞いてよ!
リリーが今週末のホグズミート行き、考えてもいいって言ってくれたんだ!」
「考えてもいい、ねえ…へー、よかったわねジェームズ。」
あのリリーが拒否せずそういったのだから、よほどのことがない限りきっとリリーはオーケイするのだろう。
「あっでもあたしリリーと行くつもりでいたから誰と行こう?リーマスたち一緒に行ってくれるかしら!」
ホグズミート休暇は決まってリリーと行っていたので誰かを誘うことなど考えていなかったのだ。
「…一緒に、」
「えっ?」
「一緒に行ってやってもいいけど。」
「えっと、それは誘ってくれてるの?」
不器用な声に思わず頬が緩んだ。
「あー、いや、そういうわけじゃないけど」
シリウスは目を逸らし頬をポリポリとかいた。
「もしかしてシリウス、
照れてるの?」
ばか、そんなんじゃねーよ
(わっシリウス照れてるかーわいー)(だから違うって)(でも嬉しい、ありがとね)(…照)
2010/02/10