>> プロローグ



とある友人いわく、俺は

“ヘイワジマ シズオ”

に、似ているらしい。


「誰それ」
「デュラララ!!っていう小説のキャラで金髪で背が高くてバーテン服着ててサングラスかけててキレやすくて標識とか自動販売機とかポストとか軽く持ち上げる所か余裕でぶん投げちゃってアニメでは小野Dが声を担当してるイケメソ」


ほぅ、話を聞く限りその“ヘイワジマシズオ”っていうのは二次元のキャラで、俺はそのヘイワジマさんとやらに似てんか。


「ふざけんな(笑)つかその人本当に人間?後半おかしくね、ポストとか自動販売機投げるとか」
「だってシズちゃんだもん。そして俺は二次元に関してはいつも真面目だもん」
「つまりお前は二次元以外には真面目じゃないと」


大体お前“だもん”とかいうなし…と、そんな俺の呟きには耳も貸さないで、隣で「もうほんとデュララララブ!俺はデュラララが大好きだ愛してる!!!」と両手を上げて叫ぶ友人、もとい神堂蓮。

はたから見れば何ともアホらしいというか、痛々しいというか、正直関わりたくないむしろ他人のふりをしていたいというか。


とりあえず結論に至ると、なんでコイツと友達になれたんだ自分(むしろ、何故なったんだ自分)


「あれ、響きゅんてば眉間に皺が寄ってるよ?…はっ!もしかして恋しちゃってたり?だとしたら、誰だろう!野球部のピッチャー?サッカー部のキャプテン?はたまた数学の先生とか!?」


本当に、そう思わずにはいられない(大体なんで恋をしている前提なんだ?しかも候補としてあげられた人物全員が男だしな!)


「…え、なんで否定しないの?もしかしてマジで恋してるの?え、マジでk「んな訳あるか。単にお前の相手すんのが疲れただけだっつうの」ちょw俺涙目www」


第一、俺は健全なノーマルだ。


「…ほれ蓮、お前んちこの横断歩道行ってすぐだろ。さっさと帰れ」


いい加減コイツといる事に疲れた俺は、シッシッと手を振って追い払う仕草をする。


「酷ッ!もう少し名残惜しそうにしようぜ」
「…………………サミシイナァ」
「間が長いッそして棒読みッ!!てか響、段々手を振る速度速くなってね?なんか残像見えるんだけどwあと無表情怖すぐr……うんごめん調子に乗りすぎましたサーセン俺が悪かったからマジでいい加減無表情でシッシッすんの止めて。スゴい凹むしょぼーんってなる」
「そうか。よし、なってしまえ」
「……ちくしょう、響なんかいさじさん的ないい男に「ヤらないか?」って言われて物陰でアーッな展開になってしまえ!!」
「だが断る」


意味不明な暴言(しかし何故だろうか、聞き捨てならねぇ)を半ば涙目で吐き捨てて蓮はちょうど青信号となった横断歩道を渡っていく。


「…蓮ー、また明日なー」


俺の声に反応したのか、蓮は横断歩道の真ん中で振り返って、


「デレ響たんキター(゚∀゚)ー!!!!」


おもいっきり叫んだ。




(コレが、俺の日常)


(同じような事を毎日繰り返し、)

(何となく毎日を過ごす)


(平和で平穏な日常だ)


(…とりあえず今は「ちょっ●RECるから、今のデレもっかい!!」と、道のド真ん中で騒いで人々の視線を集めている蓮にラリアットをかましにいこうと思う)




next

2/2



- ナノ -