「あー、友達の友達から聞いた話なんだけどよ―……」


そいつがすっげー心霊現象とか好きな奴でさ、同じように心霊現象好きな奴2人と肝試しすることになったんだよ。そいつらが通ってる学校の近くに、数年前に家事で焼けた家があって、そこに住んでた奴も全員死んだとかで地元ではちょっと有名だったらしいんだ。で、3人はそこで肝試しすることに決めたんだ。中学生だし、夜遅くに行くのは危険だっつーことで、学校が終わった後に行くことにしたんだと。ほら、夕暮れのときはオウマガトキ?とかで幽霊出やすいっつーからさ。で、学校終わってから3人はその家に行ったんだ。辺りは静まり返ってて、家は普通に2階建で、車庫と庭がある。もう数年も手入れされてないから庭は荒れ放題で、家も焼けてる箇所が一杯あって気味が悪かったんだと。でも、その場のテンションってやつか、3人は肝試しにはうってつけだと家の中に入っていったんだ。家の中も物とかが散らばってたり、それこそ焦げた跡やら床が抜けてる所があったりした。それでも3人は家の中を歩き回ったんだよ。部屋を1つ1つ見て、ああ、でも2階への階段は板が抜けてて行けなかったらしいんだけどな。で、最後に1番奥にあった部屋、その家の住人の部屋だったみたいで、写真とかが色々置いてあった。その写真が家族と撮ったやつで、その友達の友達は微笑ましくそれ見てたんだ。でもよ、急に他の2人が体調崩しちまって、もう本当に吐きそうだったみたいで、3人は急いで家を出たんだ。家から出て暫くすると吐き気は治まったみたいだったけど、時間も結構経ってたし、また気分悪くなるといけないと思って、その日は帰ったんだ。で、次の日に、その2人のうちの1人と友達の友達でもう一度あの家に行ったんだよ。だけど、その家の門のところに厳重に鍵っていうかチェーンが巻かれてたんだ。昨日はそんなもの無かったのにな、なんて2人で不思議そうに見てると、近所のおばちゃんが危ないから近付いたらダメよって言うんだ。近所の人に見られて火事のあった家に入るのも気が引けるっつーんで、結局おばちゃんに従って帰ったんだよ。でもさ、可笑しいんだ。その火事のあった家、結構車通りも激しいし、近くに遊歩道もあって犬の散歩とかで夕方なんて特に人通りが絶えねーんだよ。で、今日見たとおり門を通って家の中に入るのは不可能だ。2人はゾッとしたそうだ。そりゃそうだよな、だって通りが激しいはずの近所には誰もいなくて、入れるはずのない家に入って、そんで2人が気分悪くして帰ってきてんだ。これは可笑しい、本当にやばいことに巻き込まれかけたのかもしれない、って。それから3人はもう2度とその家には近付かなかったそうだ。


「なぁ、3人はどこに肝試しに行ってたんだろうな―……?」


 



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