05

長い沈黙が火影室に流れた。サクラはナルトが言って此処にはいない。


「…で、なまえを見捨てろっていうのか?」

「っ、うん」


聞いたことのない低いナルトの怒った声。何で怒っているなんて言うまでもない。私を狙う者がいて、私を助けないでとナルトに頼んだから。


「…俺ってばカカシ先生やエロ仙人に教えてもらったんだってば……“仲間を大切にしない奴はクズだ”って!」

「……ありがとう、ナルト」

「なまえ!分かってくれたのか?」

「…でも、未来は変わらない。私、知ってるの…だから、夢や希望を持っちゃったら辛くなる。変われたんだよ私。ナルトやシカマルのお陰で……ありがとう。シカマルには全てが終わったあと“ありがとう”って伝えてね」

「……なまえ…………わ、分かったってば」

「ありがとう」


ナルトは目を合わせてくれなかった。
私は深々とナルトに頭を下げて走って家に帰った。…たぶん、会えるのはこれで最後。



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