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気づいてしまったら……その存在は私の中で日々大きくなる。
朝の「おはよう」も、私の名前を呼ぶ低いテノールな声も。シカマルにかける「いってらっしゃい」も「おかえり」「おやすみ」も。全部全部!


「なまえ、そろそろ寝るか」

「ん…シカマルは?」

「俺はもうちょいこれ読んでから寝るわ」

「私…もー寝るね。……おやすみ、シカマル」

「あぁ、おやすみなまえ」


重たい瞼を擦りながらとシカマルは微笑みながら言ってくれた。空に浮かぶ月には分厚い雲が覆い被さり、暗雲の空と化していた。



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