03

「居るか?ナルト…」

少し荒い息の少女をちらっと横目で確認して火影室の扉を開ける。


「……シカマルか…」


其処には、とても一里の長とは思えない“うずまきナルト”がいた。
面を付けた状態で真名を言ってしまうから本当に呆れる。


「ッたく、何度言ったら分かるんだ?暗部名の意味がねーだろ!」


なんて言いながら、ポンッ


「なるほど!」


となるほどのポーズをしているナルトにまた、ため息が出る。


「死の森にいた…女を連れてきた」

「女?」


言って後ろを見て前に出るように少女に顎で合図をする。少ししてゆっくりと火影室
に入ってきた。


「もう一度言う、お前は何であんな場所にいたんだ?」

「…分かんないでも……多分、私この世界の人間じゃない」


暫しの沈黙がなまえには辛い。やはり、信じて貰えそうにないかも。だって、私だってよく状況を理解出来てない。


「パラレルワールドか…」

「パラレル?」

「“もしも”の数だけ世界は広がっているって考えだ。」

「“もしも”ってどんなのだってば?」


パラレルワールド…

もしも、医療が発達した世界
もしも、戦争ばかりの世界
もしも、忍者がいる世界……


「ん゛ー」

「お前は分かんなかったら別にいい」

「ん、なんとなく分かるってばよ!」

「ハァ、俺はあくまでもお前の補佐だ…ナルト、この女をどうする?」


ビク、

ギュッと拳を強く握る。


「ナルトー書類は出来た?」

「?」


ピンク色の少女が部屋に入ってきた。


「サ、サクラちゃん!…ま、まだだってばよ……ι」

「何やってんのよ!…あれ、この子は?」

「死の森にいた…異世界の女だ」



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