02
「着いてこい」
そう、言われて 森を黙々と歩く2つの影。鹿の面の男は、少女が触れられることに極度に嫌がるのを知り少女の歩みに合わせ、ある場所に向かっていた。少女は、小柄でその空色の瞳は長い前髪によって時々見えるだけ。…綺麗な瞳なのに勿体無い、柄にも無いことを思った自分に苦笑する。
「あの…何処に向かっているんですか?」
おずおずと自分の後ろから少女の声がする。ピタリと足を止め、少女に振り向く。ビクリと小さく震える少女を見てため息を一つした。
「わりぃ…痛かったか?」
「…、いいえ」
下を見て小さな声で返す少女。痛くない筈はない、今は止まっているが血が少女の襟元を赤く染めていた。それに手を伸ばしかけて止めた。
少女が一歩、一歩後退するから。
「…めんどくせー、分かったお前にはさわんねぇよ……」
そう言ってやれば、ホッとしたように緊張していた肩を下ろす。余程、俺が触れるのが嫌らしい。
「……スピード上げれるか?」
コクンと頷く少女を見て少し歩くのを早める。太陽が傾きかけてる。崖にある里の象徴である六つの顔岩。六つ目にある顔は、俺が支えてる里の長。
「どうするんだろうな、ナルトの奴……」
森を抜けた其処は、火の国にある“木の葉の里”
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