休日の女子会withメガネ

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今日は久しぶりの休日。私は他の女中さん達とは違って住み込みの為休日でも何となく仕事をしてしまうことが多い。それを心配してくれた佐藤先輩の好意で今日は外に出て買い物とか散歩をしている。って言っても、いつも通り。


「あ、みょうじさんじゃないですか。今日は休みなんですか?」

「新八君、神楽ちゃん、お妙さんお久しぶりです。はい、でも休日て何をすればいいのか分からなくて結局仕事してしまいます」

「銀ちゃんはなまえの爪飲むべきネ」

「神楽ちゃんそれを言うなら“爪の垢を煎じて飲む”だよ」

「そうだわ、なまえちゃんさえよかったらこれからお茶でもどうかしら?」


◇◇◇


ということで、お妙さん達に誘って頂いてお茶をするためかぶき町のファミレスへ移動。名前をバトルロイヤルホストという。いつ聞いても物騒な名前である。


「女子会ね」

「いや、僕男ですけど」

「新八は存在がメガネだから大丈夫ネ」

「存在がメガネってなんだよぉぉぉおおお」


神楽ちゃんと新八君が可笑しくて私は始終笑っている。お妙さんも綺麗に微笑んでいる。綺麗だなぁ。近藤さんが惚れるのは頷ける。女だってお妙さんの笑顔にやられそう。


「どうしたの?なまえちゃん」

「い、いえ。…お妙さん綺麗だなぁって。私ってばお洒落と疎いというか」

「あら、そんなことないわよ」

「いやいや!お妙さんはいつもお美しいです!!!!」


私たちの囲む机の下から“にょ”っという効果音で登場した近藤さん。登場の瞬間にお妙さんによって踏みつけられ「ゴリラは消えろぉぉぉおお!」との言葉と共にお妙さんの鉄槌を受けて窓の外へ飛び立つ。凄まじい光景に驚きつつも新八君や神楽ちゃんは落ち着いている様子からいつもの光景なのだろう。というか、近藤さんいつもこんなことしているの?私は真選組の行く末が今更ながら心配になってきた。


「す、すみません。なんか」

「あら、ゴリラが悪いのよ?」

「…」

「本当に早く死んでゴリラに還ってくれないかしら」

(近藤さん今すぐ逃げてくださいぃぃぃいいい!!!)


◇◇◇


近藤さんの騒動が一息ついて頃、新八君が空気を換えるように口を開いた。


「話は変わりますけどどうして、なまえさんは真選組の女中ななったんですか」


「あ、言いたくなかったらスルーしてください!すみません」と、間を開けず言う新八君。


「そうネ。あんな加齢臭臭いところでなんで働こうなんて思ったネ?」

「ふふ、確かに空気は濃いですね」


洗濯前の洗濯物は確かに嗅げたものじゃない。それを思い出して思わず笑ってしまう。だけど、


「土方さん、沖田さんと同じですよ。近藤さんが好きだから…確かに、お妙さんに付き纏う近藤さんは戴けませんけど、屯所内だったら立派な私たちの守るべき魂なんです。そして、土方さんや沖田さん達がその魂を守る剣。私たち女中は鞘になれればと思っているんです」

「みょうじさん、」

「でも、私も皆さんの足手まといにならないくらい少しは力になりたいと思っているんですけど。駄目ですね、」


私は、強い女性に憧れている。神楽ちゃんは宇宙最強を誇る絶滅寸前の戦闘種族の夜兎族ですごく強い。お妙さんはこんなにお淑やかさで美人だけど本当はすごく(近藤さん前で特に)強い。私の周囲の女性は皆強い。


「あら、なまえちゃんは自分が思っているよりもちゃんと強いわよ」

「そうネ!」

「そうです。みょうじさんは強いですよ」

「皆さん、」


(私でよかったら力つけてあげるネ)
(えぇ、私もなまえちゃんの為ならひと肌もふた肌も脱ぐわ)
(本当ですか?)
(…みょうじさん、辞めといた方がいいです…)

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