07

パタッ、小さな物音に振りかえると、愛しい彼女の姿がそこにあった


「おはよう」


微笑みながら声をかければ、彼女は至極嬉しそうに




「おはようございます」




さっきとは打って変わって大人しく、言葉遣いも丁寧になった彼女




「やっと目が覚めたかい」


青峰への下らない想いから、僕を愛する気持ちへ


やっと気付いてくれた、愛しい愛しい彼女



「はい、征十郎さんのおかげで、すっかり」



微笑んで返答する彼女に呼ばれた名前

以前のように名字で呼ばれる事の無い、新鮮な感覚



今まで僕の名を呼ばなかった彼女へのほんの少しの憎しみと、
名前を呼んでくれた喜び


二つの気持ちが混ざり合って、甘美で、どこかイラつく感情になる



普段は疎むその感情さえ、今は愛しくて




あぁ、彼女にべた惚れだなぁ、なんて痛感する



「どうかなされましたか?征十郎さん」


しばらく口を開くこと無く思案していた僕を気にかけて、可愛いその顔を
少し歪ませてくれる彼女


あぁ、僕の為にこんな顔もするようになったなんて




まるで、夢みたいだ





そう思った刹那、僕らしくないな、と心のうちで否定した



「何でも無いよ」



また微笑んで返事を返す僕に、顔を綻ばせる







あぁ、願わくば、この幸せな時間が、ずっと続けばいいのに











じゅうじゅんれいでぃ
(いや、続かせるんだ、決して手離しなどするものか)








20130227






久しぶりの更新となりました、
長らくお待たせして申し訳ありません…!!



今回のお話は赤司様が若干病んでるというか
狂気に走っちゃってるんですが、
こんな狂気的独占欲な赤司様が好きなのは私だけでしょうか…








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