ここは、どこ
暗くて、先が見えない…
足元は…沼?
私は、赤司君にこんなところまで連れてこられたんだろうか
「それは違います」
「!!っ、誰!?」
「ようこそ、精神世界へ」
突然、声が響いた
…は、え、精神世界?
何が何だか、さっぱり分からない
「分からなくても結構、初めて来たんですもの、
戸惑うのも当たり前でしょう」
「貴女は、誰?と聞く前に…どうして、私の心の声と喋ってるの」
「だから言ったでしょう、ここは精神世界です、と」
暗くて、足元は、多分、底なし沼
…精神世界
そうか、ここは
「その通り、ここは貴女の心の中、貴方の精神世界です、名前さん」
「…ここが、もしも本当に私の精神世界だとして、
なんで、貴女はここにいるの?」
暗くて姿の見えない、声の主に問う
「…そんなこと、どうでもいいでしょう
それより、このままでは貴女は青峰大輝への想いを消し去るばかりか、
赤司征十郎に従わなければならない
頼みの綱も、助けに来ない」
答えははぐらかされたけど、この声の言う事は確かだ
「なら、貴女はここで寝ておけばいい」
「…どういうこと?」
「私が代わってあげます、赤司征十郎に愛される事も、
──青峰大輝への想いを忘れる事も」
「!!!、っ、でも、どうやって」
「細かい事はいいんです、ここでは、貴女が私に体の主導権を譲るか、
それだけが大事です」
もし、私が主導権を譲れば、きっと私はここで眠り、
大輝への想いを忘れずに済む
でも、こんなに都合の良い話があったいいのだろうか
「良いんですよ、名字名前さん、ここでは、貴女が全てですから」
…大輝
あの絶望的な言葉を聞いてなお、私の体は大輝を求めている
心も、耳も、目も、唇さえも、
全て、全て、大輝のモノだ
「さぁ、もういい加減に休んではどうですか?
貴女も、お疲れでしょうから」
あぁ、そうだ、確かに疲れた
眠い
「全て、今までの事は忘れて構いません、
私に託して、もうお休みなさい」
あぁ、本当だ、もう任せてしまおう
私は、眠いんだ
だんだんと明るくなっていく世界を尻目に、
私の意識はもうろうとして来た
ゆっくり、ゆっくりと、声の主の姿が見えてくる
後ろ姿しか見えないけれど、妙に見覚えのある姿だった
「一つ、教えておきましょう、私の名前は───」
つぶやかれた言葉に驚き、
目を開こうとしても、時既に遅し
私の意識は、再び闇に落ちた
私の名前は───名字名前です
確かにそう言われた名前と、
見覚えのある後ろ姿
あぁ、そうか、彼女は、私の──
消える自我
(彼女は私が、作りだした人格だ)
20121001
もはやカオス(^p^)/
いったい私は何がしたいんだ←
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