06













ここは、どこ














暗くて、先が見えない…




足元は…沼?








私は、赤司君にこんなところまで連れてこられたんだろうか










「それは違います」




「!!っ、誰!?」





「ようこそ、精神世界へ」






突然、声が響いた


…は、え、精神世界?







何が何だか、さっぱり分からない





「分からなくても結構、初めて来たんですもの、
 戸惑うのも当たり前でしょう」




「貴女は、誰?と聞く前に…どうして、私の心の声と喋ってるの」








「だから言ったでしょう、ここは精神世界です、と」







暗くて、足元は、多分、底なし沼








…精神世界









そうか、ここは








「その通り、ここは貴女の心の中、貴方の精神世界です、名前さん」




「…ここが、もしも本当に私の精神世界だとして、
 なんで、貴女はここにいるの?」






暗くて姿の見えない、声の主に問う




「…そんなこと、どうでもいいでしょう

 それより、このままでは貴女は青峰大輝への想いを消し去るばかりか、
 赤司征十郎に従わなければならない

 頼みの綱も、助けに来ない」




答えははぐらかされたけど、この声の言う事は確かだ





「なら、貴女はここで寝ておけばいい」




「…どういうこと?」




「私が代わってあげます、赤司征十郎に愛される事も、
 ──青峰大輝への想いを忘れる事も」





「!!!、っ、でも、どうやって」






「細かい事はいいんです、ここでは、貴女が私に体の主導権を譲るか、
 それだけが大事です」







もし、私が主導権を譲れば、きっと私はここで眠り、
大輝への想いを忘れずに済む






でも、こんなに都合の良い話があったいいのだろうか








「良いんですよ、名字名前さん、ここでは、貴女が全てですから」








…大輝








あの絶望的な言葉を聞いてなお、私の体は大輝を求めている






心も、耳も、目も、唇さえも、






全て、全て、大輝のモノだ








「さぁ、もういい加減に休んではどうですか?
 貴女も、お疲れでしょうから」





あぁ、そうだ、確かに疲れた








眠い











「全て、今までの事は忘れて構いません、
 私に託して、もうお休みなさい」










あぁ、本当だ、もう任せてしまおう










私は、眠いんだ








だんだんと明るくなっていく世界を尻目に、
私の意識はもうろうとして来た









ゆっくり、ゆっくりと、声の主の姿が見えてくる









後ろ姿しか見えないけれど、妙に見覚えのある姿だった







「一つ、教えておきましょう、私の名前は───」





つぶやかれた言葉に驚き、
目を開こうとしても、時既に遅し







私の意識は、再び闇に落ちた












私の名前は───名字名前です


確かにそう言われた名前と、






見覚えのある後ろ姿










あぁ、そうか、彼女は、私の──










消える自我
(彼女は私が、作りだした人格だ)










20121001







もはやカオス(^p^)/


いったい私は何がしたいんだ←











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