今日、私は告白します





ずっと前から好きだった赤司先輩



今日は卒業式だから、ベタだけど告白






京都の名門高校に行ってしまう先輩





もう、きっと会えない




だから、当たって砕けてもいいから、
後悔しないように、


自分の想いを伝える





校門前



キセキと呼ばれる彼らの中心に目当ての人はいた






相も変わらず黄瀬先輩の前には列があるけど、
今日はいつもより多い気がする




それより、緑間先輩にファンがいたなんて意外だ




あの中に、入って行く、勇気が……




よし、行こう、やっぱり、後悔だけはしたくないから









「あの!!赤司先輩!!」



「…何だい?」



勿論告白だと分かっているだろうに、
先輩は顔色一つ変えずに私を見据えた



「私、名字名前って言います!!
 あの、赤司先輩、今年で卒業だし、その、京都に行くって聞いて…」



いつのまにか、キセキの先輩達がこっちを見ていたので、
顔に熱が集まる




「……」


「だから!!お別れする前に、一言、その、


 す、す、好きって伝えたくて!!」



「……」



「あの、もし、もし良かったら!!
 私と付き合って貰えませんか!?」




沈黙




風に舞う桜の花びらが頬に当たる





「残念だけど、僕は君の想いには応える事が出来ない」







あ、終わった、私の恋





そう思った刹那、




耳元に寄せられた口元から零れた言葉に泣きそうになった






「僕では、君を幸せには出来ない




 ──名前」




何で、期待させるような言葉を言うんですか






何で、私の名前を知ってるんですか







本当に、勘違いしちゃうじゃないですか








「あ、りがとう、ございました」






逃げるようにその場を去る













あぁ、私は失恋したけれど




その赤司先輩の言葉にまた好きになってしまう












赤にれた末路
(今日もまたその赤にこの心を焦がされ)











20120820












- ナノ -