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*赤司side*





今朝、女バスのエースと呼ばれている名字名前が
交通事故にあって亡くなった



信号無視したトラックに轢かれたらしい



成績優秀、運動神経抜群、普段の態度も良好
そんな優等生が亡くなってしまうとは、先生は実に残念だ








そう終業式を前にして担任はいきなり話し出した





どうやら赤司、お前の事が好きだったらしいぞ
鞄からお前宛のラブレターが出てきたそうだ






そんな事を言われても、知らない




まず顔も知らない、話した事もない相手に好かれても
何一つ良い事等無いに決まっているし、




これからは生徒や教師の目がついて回るだろう




バスケ部のキャプテン、キセキを従える者として
そこそこ名は売れているだろうが、


必要以上に有名になることはいらない







死ぬときに余計な事をしてくれた







そう顔も知らない故人に文句を垂れても仕方ない、か






そう思案しているうちに、終業式が始まるからと
生徒が移動を始める





全く、こんな時だけは名前が有名で良かった




僕以外の生徒は僕を避けて歩く









体育館につくとムンとした熱気が身体を包んだ













長ったらしい校長の話が終わればもう終業式も終わりだ






今日は珍しく部活がないのでゆっくりと家に帰る










帰り道、泣いている女性、飛び散った血が目に入った





僕の通学路で、あの事件があったのか







結局他人事だから、目線を前に戻して帰路につく







そんな時だ






最初は幻覚かと思った人物に出会ったのは




















歩道に面した向日葵畑、咲き誇る向日葵の中で、





儚く、淡く、今にも消えそうな、だが不思議と存在感を放つ












真っ白なワンピースを着た少女と出会ったのは















邂逅
(少女はえ、と間抜けな声を出して驚いた顔をしていた)









20120820









 

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