私には、幼馴染がいる


その人は、バスケの強豪校、海常高校でレギュラーの、
とっても凄い人、



だけど



「あ、また目、合った…


 ちょっと行ってくる」



「いや試合前だから待てぇええええ!!!」





正直、ある意味で勇者な人だ





「由孝、試合前なんだから大人しくしておきなよ」



「でもこれを逃せば会えないかも…


 やっぱ行ってくる」



「待てって!!」




キャプテンの笠松さんが由孝にストップ!!と叫んでいる



まぁあんな奴じゃ大変だろうな…




笠松さんは私を見て、今日もお守りか、幼馴染も大変だな、と
言って来た



嫌味じゃないのは分かってるけど、
なんだか響が悪いフレーズだ



「森山先輩っ!!早く行かないと試合遅れちゃうっス!!
 惚気るなら試合の後にして下さいっス!!」



そう焦った声で言う黄瀬君




どうやら本当に時間ギリギリらしい








「由孝、本当に時間危ないから、行くよ」



「…分かった」




結局目が合ったやらどうやらの子は諦めずに、
試合後にアタックするらしい




その為には自分をカッコ良く見せないと、
勝利するのは必須条件、とかブツブツ言っていた






どうせ黄瀬君目当ての子だろうけど























ピーーーーーー!!とホイッスルが鳴った



「試合終了!!98-37で海常高校の勝利!!礼!!」



ありがとうございました!!と大きな声が響く中、
由孝だけはそそくさと更衣室に向かっていた




どうやら本当にアッタクに行くみたいだ







数分後、やっと目当ての女の子を見つけたのか、
由孝が女の子に近づいて行った




「…ねぇ、ちょっといい?」



「え!?…あ、はい、何ですか?」




いきなり話しかけられた女の子は
凄くビックリしているみたいだった



そりゃあまぁ見ず知らずの人だもんね





「好きになりました、付き合って下さい」





「え!?あ、あの…ゴメンナサイ!!」





そりゃぁそうなります



いきなり付き合って下さい、だもん





落ち込む由孝を黄瀬君が慰めに行こうとするが、
笠松さんに止められていた



今行ったらまた同じ行動するだろうが、
ほっといてやれ



って言ってたけど、内心は絶対おもしろがっている




顔がニヤけてます、笠松さん




つーか実は腹黒キャラなのにビックリです












と思う私を含めて、この光景は海常高校の試合後の
風景として馴染んでしまっている






これでいいのか、海常










- ナノ -