夏の日の夕方



地平線に沈む太陽がとっても綺麗だ




いつも君はそんな景色ばかり眺めているんだね





何だか羨ましいよ







「ねぇ大輝、空、とっても綺麗だ」



「あーそうだなぁ、真っ赤で、綺麗だ」



「また、部活サボったの?」



「ここ来たら、何か全部どーでも良くなってくんだわ
 いつのまにか寝てる、っていうかなー」


「あの煩い先輩に怒られても、知らないよ」



「俺より結果出せてねぇ奴に言われる言葉なんてねぇよ」



「相も変わらず、自信家だね」




時間と共に、雲も、風も、流れて行く


本当、どうでもよくなってくるなぁ



「いいね、ここ、大輝だけの場所」



「あ?違ぇよ、お前の場所でも、あんだろうが」



「…大輝は、優しいね」



「知ってる」



「はは、本当に、自信家だね」



「名前、膝枕、してくれ」



「しょうがないな」



大輝の頭が乗せやすい様に、膝を崩す



大輝の体温が、スカートを通して伝わってきた








「また、胸、でかくなったか」



「毎日の牛乳は、欠かせないよ」



「そんだけででかくなんのかよ」



呆れた声で言う大輝は、笑っていた




キーンコーンと間の抜けた音でチャイムが鳴りだした


「あぁ、もう下校時刻だよ」



「いいじゃねぇか、もうちょっとくらい」



「…そうだね」








本当に、夕日が、燃えてるみたいだ



沈む太陽が、綺麗だ




そんな陽に仄かに照らされる大輝の顔も、



流れていくこの時間も、



大輝と一緒にいれば、何だって綺麗に見えてくるね









「ねぇ大輝、好きだよ」






「…んな事前から知ってるよ、名前」





「大好きだ」






「俺は、愛してる」













上テリトリー
(愛しい彼と過ごす、不可侵のビューティフルデイズ)









20120821




急にほのぼの青峰が描きたくなって
こんな作品になってしまった件←




title by HENCE









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