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無題

分厚くなった手のひらを重ねる。鮮血を浴びたぬくもりは、すぐに体温と溶けあっていった。2人で下した脅威の獣が、女の長い髪を喰ろうてその場に伏している。ちぎれた金糸は血にまみれ、もはや異物に変わりなし。男は言う。帰ろうと。在りし日の想い出をだぶつかせるように、2人は骸を後にした。
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