私の悪魔さん | ナノ

間接キッス


間接キッス



「いっただき!」

「あっ!それ残しておいたエビフライ!!」

エースさんにエビフライを盗まれた。

さっさと食わない★が悪い、と悪びれもなく言うエースさん。

っていうかそれ、食べかけです。

か、かかか間接キッスです!!

「お、これももーらい!」

「おいエース!俺のフライ!!」

ジョズさんとも間接キッス…。

今時間接キスなんて流行らないですよね、ハハハ。


「お前今俺と間接キスとか考えてただろ?」

ニヤリと笑って自分の唇を怪しくなぞりながらエースさんは言う。


「ババババ、バカ言わないでくださいよ!!そ、そんなこと!!」

言い終えるとエースさんは目をまんまるくしていた。

あ、子どもっぽくて今のギャップ萌。


「あー腹いてェ!!!お前どもりすぎ!!っつーか……嘘下手くそー!!」

お腹を抱えて笑うエースさん。

うっすら涙も浮かべている。

そんなに面白いですか、そうですか、よかったですよ。

からかわれることに少々抵抗を覚えながら、もういいです。とトレイを下げようとした。


「待てよ、★」

「え?」

「ほら」

そう言ってエースさんが差し出したのは飴玉だった。

「お前の好きな味。だろ?」

見れば私が好きだと言った味。

いつ言ったかも忘れたのに覚えていてくれたことが単純に嬉しい。

「これで機嫌直せよ」

ニカッと笑うエースさん。


……騙されないんだから。

体は硬直したまま飴玉を睨みつけた。


「お前が好きだ」

「え?」

「……って言うからとっといたんだぜ?ほら」

やるよ。とトレイの上に飴玉を乗っけてきた。

負けるもんか!!負ける……もんか。

負け……た。


「……ありがとうございます」


やっぱりエースさんには適わない。

そう思っていると。


「お前、間接キスよりもっとすごいこと俺としてるくせにな」


そう言ったエースさんに絶対に今度は負けないと誓ったのは言うまでもない。



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