私の悪魔さん
私の悪魔さん「エースさん!!大好きです!!」
走ってくるエースさんを見つけて私はつい思いが溢れ出した。
「おっ!★かっ」
「エースさん、私エースさんの事が・・」
そう言い終える前に・・唇が塞がれた。
「んっ・・」
かなり濃厚なちゅーをされて私はノックアウト寸前。
やっと私の想いが・・
「やべっ!」
エースさんはすまんとペコリと頭を下げて一目散に逃げ出した。
ん?すまん?
まぁいいかそんなこと・・ついに・・ついに・・・
「俺のチョコケーキ食ったやつぁ誰だぁぁぁぁ!!!」
「サ、サッチさん!?」
「おっ、★!多分エースだと思うんだけど・・よ・・・・」
「へ?」
「お前かァァァァ!!」
「えぇぇ!?」
泣きながら怒るサッチさんに肩を揺さぶられた。
「何言っても無駄だぜ?口の周りによ・・ついてんだよ」
口、と言う単語が出てきただけでついさっきの事を思い出して顔が赤くなる。
「俺のチョコケーキの残骸がべったりとなぁぁ!!」
「え?えぇぇ!?」
そう言えば甘い。
キスの味はチョコの味だった・・・。
「ハメられたぁぁぁ!!」
すまんの意味はこういう事だったんですね!
サッチさんに丁寧に今起きたことを説明したけれども鼻で笑われた。
「★・・エースがお前にキスなんてしねぇだろ?お前の妄想もそこまでくるとすげぇよな」
健気だな、なんて肩に手を置かれる。
しかしまた肩をギュッと掴まれた。
「だけど俺のケーキ食ったことは別だ!!お前・・あれは俺のファンっつーナースからもらったんだぞ!貴重なんだぞ!」
話を全く信じてくれないサッチさんに私は一週間洗い場の仕事を任された。
それもそのはず、私がエースさんを好きなのはきっとこの船に乗ってる人なら誰だってわかる。
でも・・全然相手にされてない。
振られてはいないけど相手にされていない。
そのエースさんが私にキスなんかするはずない。
私が馬鹿だったんです。
今でも思い出せば顔が赤くなるのに、エースさんは知らんぷり。
手馴れてたな・・、誰にでもするのかな?
とにかくエースさんは一枚上手。
でもどうしようもなくそんなエースさんにドキドキしてしまう。
ほら、今だって・・・
「そんな怒んなよ?な?」
「ひ・・ひどいです、盗み食いの犯人に仕立てるためだけに・・こんな・・」
「でも、気持ちよかった・・だろ?」
ニヤリと笑うエースさんはすごく色っぽくてクラクラしてしまう。
怒ってるはずなのに・・翻弄されていってしまう。
「そ・・そんなこと・・」
「嘘だね。もっかいしてやろうか?」
「エ、エースさん!!」
「顔真っ赤、かーわいい」
こうやっていつも私を翻弄する。
Q.アナタは私の王子様?
A.いや、悪魔です。
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