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「今日エースは?」

「なんか用事あるって」

★と俺、2人の帰り道。

ルフィは部活、エースは用事があるらしい。

『エースに彼女できたんだって?』

その言葉が浮かんできた。

「サボ?どうしたの?」

「い、いや、なんでもねェ!」

思わず声が裏返る。

★は知ってるのか?

もしかして、言ってないのか?

そんなことがグルグルとまわっている。

「エース、最近いろいろ友達できたみたいでさ、先輩たちとも仲良いんだ」

寂しそうに言う★。

「ルフィもいろいろ友達できてるみてェだし、あいつら人懐っこいとこあるからな」

「サボだってそうじゃない。私は人見知りしちゃって全然だなー」

ケラケラと笑う★。

こいつは人見知りはするけど打ち解けたら明るい性格でいつのまにか人気者になっている。

それを本人は自覚してねェけど。

「そういえば、聞いてよ!エースがねー!」

高校であった話をする★。

エースのことよく見てるな、って嫉妬してみたりして。

「エースらしいな」

「でしょー?笑っちゃったもん!」

その笑顔をずっと、見てたいな……なんて思ってさっきのクラスメートの言葉が重くのしかかる。

「サボ?」

「いや、なんでもない」

エースに彼女か……。

★はいったいどうするんだろう。

「なんか変だよ?どうしたの?」

「な、なんでもねェって!」

「言ってよ!」

むきになる★。

これは、本当に怒ってる時だ。

「★?」

「ヤダよ、こんな……バラバラになってくの。ヤダよ。友達でしょ?何かあるんなら……言ってよ」

寂しそうに言う★に俺はごめん、としか言えなかった。

ずっと4人で、一緒に居たいと思ってくれてることに感謝しながら俺は罪悪感でいっぱいになった。

★が悪いわけじゃない。

4人で一緒に居たいと思うのにそれを邪魔してるのは俺だ。

エースと★、2人を祝福するつもりでいたのに

結局は★への想いが捨てきれずに大切な友達を、好きな女、とその恋敵にしてしまっていた。

「★、俺はずっとお前の味方だよ。ずっと友達だ。ありがとな」

「サボ?」

そうだ、俺たちは友達だ。


★が望むなら、俺は最高の友達でいようと思う。

だから、★……笑っててよ?


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