3
「ハァ……」
「辛気臭いため息すんなよ」
「だってエース……」
朝の別れ道が辛い。
私はサボとルフィの背中を見つめた。
「なんか寂しいなぁって思って」
「なにが?」
「いっつも一緒だったのに、離れ離れになってくの」
「しょーがねェだろ」
うん、と★は返事をした。
わかってる、わかってるけど……
「サボ、こないだ告白されたらしいぜ?」
「うそっ!?」
私たちの間にはどんどん秘密が増えていく。
私もずっと秘密を抱えている。
「サボ、モテるんだろうなぁ」
「そうかもなぁ」
「エースも、モテるもんねェ」
「そーかぁ?」
「こないだ告白されてるの見た」
「・・・・・・」
2人はなんだか輝いて見える。
中学に入って人気者になって、高校に入ったらますます遠い存在になっていった。
エースは落ち込む★の頭をぐしゃぐしゃっと撫でた。
「ちょっ!エース!」
「ちょっとは元気でたか!」
「元気とかの問題じゃないでしょ!もぉ!」
なんだかんだでこの優しい幼馴染に甘えてしまう。
私はもう見えないサボとルフィの影を見つめた。
ずっとそばにいてほしいと思うのは
ダメなことですか?
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