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「エース!ルフィ!行くぞ!……ったく!★、ちょっと待ってろ!」

「え?あ、うん!」

これがいつもの光景、いつもの朝。

★はサボと一緒にルフィとエースの兄弟を迎えに来ている。

時間通りになんてきたことがない。

「ルフィ!早く残りの肉噛んじまえ!エース!寝るなって!」

「ルフィ、エースおはよう」

サボが引っ張ってきた2人を★が笑って挨拶をする。

「おーおばよー★」

まだ肉の噛み切ってないルフィは肉を飛ばしながら言う。

「汚いルフィ!」

★は慌ててティッシュを取り出す。

「おー……朝か」

「エース!とっくに朝だよ!ってかご飯食べたんでしょ!起きなさいよ!」

寝ぼけているエースに★は背中をバシンと叩く。

「なんだかんだでやっぱりこうなるか……」

サボが言うと★はため息をこぼす。

「走れーーーーー!」

★の掛け声と共に走る4人。

あわただしい、いつもの日常が始まる。


★を挟んで俺とエース、その隣にルフィ。

これが俺たちの立ち位置。




「じゃぁサボ!放課後は?」

「今日はなんもねぇからまた帰り連絡するわ!」

「りょーかいっ」

★とサボが言うとサボはルフィ、★はエースを連れて歩く。

いつも別れるこの道が寂しいと何度思ったことか。

★がエースの隣で歩く。

それを何度悔しいと思ったことか。

サボは小さくなる2人の背中を見ていた。

まだ寝ぼけているエースを叩く★。

「サボ?どうかしたか?」

「なんもねェよ!ほら、早く行くぞ!」

同い年の俺とエースと★。

★を真ん中に俺とエース。

★の隣には俺もいたのに
今はエースが隣にいる。

★は気づいてない。

俺とエースが★の隣をどれだけ望んでいるかなんて。


シャキッとしないルフィを引きずって俺は歩いた。


★が隣に誰を望んでるかなんて、わかってるはずなんだ。

でも、壊さないように、壊さないように……

俺はその隣をまだ失いたくないと思ってしまう。

もう見えなくなった2人の背中を俺はまだ見てしまう。
振り返って俺のとこに戻ってこないかと祈ってしまう。


初恋は、実らない。



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