短編 | ナノ

うそつき。





「す、好きです!!」

すっごいドキドキして言った言葉なのに

エースはポカンってぶっさいくな顔してた。

だから思わず……

「ほ、本気にした!?ねぇ、い、今の可愛かったかな!?」

「……ハァ!?」

「告白とかしたことないからさ!!私、ほら……練習??」

答えを聞くのが怖くなってありえない言い訳をした。

「いや……なんか、もうちょいリラックスしとけよ」

「え?」

「すっげー迫力だったからさ」

「はは、はははは、そっか」

アドバイスもらっちゃてるよ。

思いっきり応援されちゃってるよ。

「ほら、もっかい言ってみろよ?」

「や、やだよ!!」

心臓が持たないよ!!

「あのなー俺でそんな緊張してたら本命の時どーすんだよ?」

「だ、だって……」

本命はあなたですよ!!

2回も、しかももう振られてるのに告白なんて……できないよ。

真剣にアドバイスしてくれてるのに……

ごめんね、私、エースが好きなの。

「いーから、早く。可愛く言ってみ?ほら」

もう、伝える事のできない想い。

だったらありったけの想いを込めて

伝えてみても、いいのかな?

今まで、大好きでした。

本当に、好きでした。

あなたの笑顔も、そばかすも。

こうやって私の背中押してくれるとこも。

「……好き、です。大好きです」

あなたが、エースが大好きです。

「……上出来。マジ惚れちゃいそーだぜ」

頭をくしゃくしゃっと撫でられた。

じゃぁ惚れてよ。

惚れちゃってよ。

「頑張れよー」

なんて……バカ。


私の勇気は言葉になって消えた。

バーカ

バカエース。

「好きだ、バカ」



明日からまた、

仲間。が始まる。



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