短編 | ナノ

君、見つけた(5/6)


「★、俺は……お前の事、ずっと見てた」

「隊長……」

「隊長、として。でも……今はそういうの関係なく」

「エース……隊長」

「お前の事見てるうちに、女、として目が離せなくなった」

自分でもビックリしてる。

隊長として、ずっと見守ってきたつもりがいつしか女としてしか★を見れなくなっていた。

「好き、なんだ。隊長としてお前が船に馴染んでよかったって思わなきゃいけねーのに……それが不安になっちまうほど」

それを感じてからずっと、隊長として見守らなきゃいけないと距離を置いた。

なのにずっと目が離せなくて、いつかまた、俺に頼ってくれないかと祈っていた。

最低だ、本当に。

隊長だから、俺を信頼して頼ってきていたのはわかる。

でもそういう理由でも構わないから……俺を必要としてくれねェかと思っていた。

「誰かとられんじゃないかって……、仲間に嫉妬して……お前が一生懸命なのわかってたのに邪魔しそうで……」

★がミントに対して抱いていた葛藤をまさかエースもしているとは思わずに★は目を丸くした。

「一生懸命なとことか、不器用なとことか、笑った顔が可愛いな、とか……。いつの間にかそんなことばっか考えてた」

知れば知るほど好きになっていく。

もっともっと知りたくなる。



「ずっと……ずっとずっと、私も隊長が好きでした!!」

「そ、それは隊長として……?」

「隊長だから気にかけてくれる事はわかってたんです。……でも私はいつの間にかエース隊長に恋をしてました」

「★……」

「ミントが来て、焦って、困らせたこともあります。諦めようって思ったこともあります。でも、やっぱり好きで……」

エースは★を抱きしめた。

ずっと、ずっと……

時には手を伸ばせずに、

時には手を伸ばしても届かずに、

痛くて、苦しくて、辛くて、切なくて……

それでも夢見ていた。

「エース、って呼べよ」

「エ、エース……」

「俺の事、好き?」

「す、すきです」

「サッチの嫁にいかねぇ?」

拗ねるようなエースに★は思わず笑った。

「これからはお前の事、俺が一番知ってるっていいてェ」

「はい」

「お前が好きだって言った色のネックレス買ってあるんだ。後で渡す」

「はい」

「お前はおれのもんな?」

「はい」

ずっと貯めてきた思いを吐き出すように言ったエース。

今度はいっぱいのキスを降らせた。

これからは一番近くで、

肩を並べて、

一歩づつ2人で───

ずっとずっと、探していた人はやっぱり君だった。

大きな愛と、少しの苦さ。

それさえも愛しいと思える……


君、見つけた




end

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