君、見つけた(3/5)
──次の日
「もーどっかの隊長さんのせいで今日も大忙しよ!!」
そう言うミントはどことなく嬉しそうで★は思わず目を背けてしまった。
「ちょっと休憩。隊長のそばにいたらまたなんだかんだあるんだから」
そう言ってミントは★のそばでため息をついた。
そう言えるほど、2人は一緒にいるんだろうな……
また出かかる黒い感情を★は必死で堪えた。
「でも、それくらい真剣なのよね。だから私もついて行きたくなっちゃうんだけど」
そう言うミントはすごく綺麗で★は思わずその表情を見つめた。
私もついていきたい。
出来ることなら役に立ちたい。
必要と……されたい。
「ミント、私……」
今できることをしようと仕事へと向かおうとすると……
「ミントー!!ミント!!いるか!?」
「エース隊長!!ヤダ、またぁ!?」
お互いに必要とし合っている2人。
私はまだ、隊長の隣にいるなんてことはできない。
一緒にいる時だって、隣じゃなかったんだ。
私は後ろをついていただけ。
肩を並べて、隣にいたわけじゃない。
「ミント!!勝手にいなくなるんじゃねェよ!!」
「す、すみません。何かありました?」
「いや……別にねェけど。★も…一緒にいたんだな」
「あ、はい」
完全に邪魔者の私はソワソワして落ち着かない。
「エース隊長!!」
「なんだ?」
「私サッチ隊長に頼まれてることあるので行ってきますね!!」
★はニコっと笑ってエースに言った。
「成長したよい、うちの妹は」
いつの間にかいたマルコはエースの後ろでそう言った。
「………だな」
「エース隊長、寂しそうですね?」
エースの隣にいたミントはからかうようにそう言った。
「バッ…!!そんなんじゃねーよ!!」
どんどんこの船に馴染んでいく★。
エースはあれから★のことを気づけば目で追っていた。
どんな雑用でも文句を言わずてきぱきとこなす。
時には他の隊の仕事まで頼まれれば断れずにやってしまう。
自己主張の少ない★が発した言葉はやけに覚えていて、好きだと言った色のネックレスを見つけたとき思わず買ってしまった。
「俺なんかもう、必要じゃねェのかもな」
思わずボソっと言ってしまった言葉にミントもマルコも目を丸くして、しまいには笑っていた。
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