君、見つけた(2/5)
──・・・
「★!!いつもさんきゅーな」
食堂で★を見つけエースがニカッと笑いながら隣に座る。
「エース隊長!!いえいえ、最近じゃ私の仕事を他の隊員がやってくれるので私はサボってるようなものですよ」
ラッキーです、なんて★が言うとエースは笑いながらそれを隊長に言うんじゃねェとコツンと★のおでこを叩いた。
ちょっと触れただけのおでこでさえ、こんなにも熱い。
感触を忘れないように必死になる自分があぁ、恋をしているんだなぁと改めて感じられる。
「★、これ好きだったろ?ほら、食え」
「サッチ隊長にも山盛り盛られましたよ」
「★ー!!これ★好きだったろ?って、もう山盛りだな」
他の隊員も★の好きなおかずを見つけおすそ分けに来る。
それを見てエースは苦笑した。
「あんま無理して食うなよ」
「あ、はい」
「無理だったら俺が食う」
「それが狙いですか」
「バレたか」
相変わらず大量のご飯を素早く食べながら★に話しかけるエース。
そんな姿を見て★は思わず微笑んだ。
「★、後で頼みたいことがあるんだけどいいか?」
「サッチ隊長!!」
一応2番隊の隊員なので隊長に許可を貰おうとちらっとエースを見るがエースは食事に夢中だった。
異論がないのなら大丈夫、の意味なんだろうと★は苦笑してわかりました、と答えた。
食事を終え食堂から出ると
「エース隊長!!さっきマルコ隊長が探してましたよ!!」
「お、そうか。じゃぁな★」
「あ、はい」
名残惜しさを残しながら★はエースの背中を見送った。
途中、ミントと隣になる背中を見て痛みが伴った。
私が覚悟してくださいね、と言った後の一週間はエース隊長の隣は私だった。
2番隊に入った当初のようにどこに行くにもついていってエース隊長を中心にできる輪の中に私もいた。
自分で踏み出すと決めたからには入隊当初の追いかけるだけの自分ではダメだと
コミュニケーションを自分から取りにいったり、いろいろしているうちに、いつの間にか隣はミントに戻っていた。
それでも気にかけてくれるのはわかっていて、いつも何かあると手を差し伸べてくれている。
それが、隊長としての責任なのだとわかってからはそれさえも痛みに変わった。
ありがたいことなのだけれども……
そんな事を思っていると
「★?ボーッとして、どうしたんだ?」
「サッチ隊長!!あ、頼みたいことがあるって言ってましたよね?」
「あ、あぁ!!男だとどうしても雑になっちまってなぁ……頼まれてくれるか?」
ハイ!と勢いよく言った★は4番隊の雑用の仕上げを頼まれていた。
これは結構日数がかかるかもしれない……。
それでも★は必要とされることが嬉しくて腕まくりをしてはりきって任務をこなしていた。
時折見つけるエースとミントの影に心を奪われながら……
prev /
next