君、見つけた(1/5)
「★!!手伝ってくれよ!!これ誰のだ?」
「あ、それはラクヨウさんのですよ」
「わりぃ助かった!!」
ニコッと笑う★は一ヶ月前の顔とは大違いで明るかった。
ミントが入ってきていじけていた自分が今は恥ずかしく思う。
「★!!これ、★だろ?ボタン縫ってくれたんだな!!ありがとよー!」
「どういたしましてー!」
★の仕事ぶりをエースやマルコが隊員に教えるようになってから陰ながらしてきた仕事にも感謝をされるようになった。
感謝の気持ちを込めるようにエースを見る★。
その隣にはいつものようにミントがいる。
★に気づいたミントはこちらへ向かって手を振って歩いてきた。
「★!!お疲れ様!!」
「ミント!お疲れ様!!毎日忙しいね」
ミントとの関係も良好。
今では親友と呼べるほど仲が良くなっていた。
「どこかの隊長さんが原因で火傷する人が多いからね」
我が2番隊の隊長は手合わせの時に思わず火になることが多く軽いやけどをする隊員が多数。
軟膏とアイスノン片手にミントはいつも大忙しだ。
「あ、そう言えばさっきヨーキーが頭痛がするって言ってたよ」
「さっすが★!!よく見てるわね。了解っ」
お互いを尊敬し合い、認め合える。
嫉妬していたことなんて知らないミントは最初嫌われていたのかと思って悲しんでいたらしい。
憧れていたのにショックだったと言われ申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「★!!そろそろ食事の時間じゃねーのか?」
「おっ、そうだな!!言ってやってくれよ、★!!」
隊員達がそう声をかけてきた。
エースの食事の準備をするのはいつの間にか★の仕事の一部になっていて
今では時間になれば隊員が声をかけてくれる。
「毎日よくやるわね」
「ただ食事用意してるだけだよ」
いってきます、とミントに言うと私は食堂に行った。
ミントは親友で人付き合いが苦手な私もミントには少しずつ自分の事を話せていた。
ただ一つ……エース隊長に恋をしていることはいまだに打ち明けられていない。
「エース隊長!!ヨーキーが頭痛がするらしいんですけど……」
「あー、あいつなら今食料庫の掃除だな」
ミントがエース隊長の元へ帰っていく。
いつ見ても2人はお似合いだ。
まだ2人を見るのには痛みがなれてくれない。
でも天使のようなミントの良さを、親友、とまでお互いを呼ぶようになった今では誰よりも知っている。
エース隊長がミントを選ぶのはそれは仕方のないことだと思う。
だからといって諦める気はない。
誰よりもエース隊長のことを好きなこの気持ちは変わらない。
隊長が、例え私を隊員としてしか見てくれなくても……
ただ、邪魔はしたくない。
私の気持ちが2人の邪魔になるのならばこの気持ちは誰にも言うまいと心に決めていた。
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