短編 | ナノ

確かな愛を君に(2/6)


エースが死んだ。

私はこのグランドラインで目的を失ってしまった。

エース、貴方に会うために

私は海を渡ってきたのに・・

なんで死んでしまったの?

船の上、新聞の号外を見て泣き崩れる★。

ルフィとエースと過ごしてきた幼少期。

少しは腕に自信があった。

でも自分は女だ。

ここまでくるのに苦労しなかったわけがない。

海賊船をいくつも乗り換え

エースに会うためだけにこの海を渡ってきた。

広い海の上、ひとりぼっち。

私はなんでこの海の上にいるんだろう?

エース・・あなたがいなくなって

私はどうしたらいいかわからない。



この船のみんなはいい人たちだった。

今まで乗ってきた船のように

女だからといっていやらしい目で見る奴もいない。

いつ喰ってしまおうかとたくらんでもいない。

ただただ泣いている私を見てそっとしておいてくれる。

長く居すぎたのかこの海賊団で私は賞金首にまでなってしまった。

エースに届いていただろうか?

今の私の姿を見たら、エースあなたはどんな顔をするんだろう?

・・いや、もうそれもないのか。

あなたは死んでしまったんだもの。

また涙があふれてきた。

あれだけ泣いても止まってはくれない。

エース、エース・・

あなたのお父さんの事も私はあれだけ一緒に居るのに知らなかった。

あなたの孤独を私はまったくわからなかった。

わかりあってるって思ってたのに

私だけだったの?

バカ・・みたい。


私はいつの間にか寝てしまっていたようだ。

すごく懐かしい夢を見た。

エースが旅立つ日

私はエースに想いを伝えようとした。

でもエースはニコッと笑って

「いってくる」

と想いも届けられなかった。

知っていたのかな?

それともあなたは海の冒険の事で頭がいっぱいだった?

私はサヨナラも言えずにあなたと別れた。

もう戻ってこないんだと現実をつきつけられたのは

あなたの手配書が手元に届いたときくらい。

そして白ひげの仲間になっていて

私の手の届かない高みにいるんだって

胸が切り裂かれそうだった。

私はエースに会ってなにができたんだろう?

何を期待していたんだろう・・。


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