短編 | ナノ

愛、見つけた(5/9)


「エース、ちょっといいかい」

食堂にいるエースにマルコは話しかけた。

「なんだよマルコ。あ、ミント!!その肉食わねーなら食っていいか?」

「エース隊長がくれたんじゃないですか。でも、さすがにお腹いっぱいです」

隣に座るミントの皿にはそれだけじゃなくいろんなおかずが乗っていた。

それを見て、マルコは苦笑いを浮かべる。

「お前らじゃないんだから、こんなに食べれねぇだろうよい」

★が言ってたことがよくわかる。

★がどうこうしなくてもミントは船に馴染んでる。

馴染んでる、と言うよりはすでに中心にいる。

人見知りで馴染むのに時間がかかった★とは大違いだ。

「んで、なんだよ。話しあんだろ?マルコ」

「あぁ。★の事なんだけどよい」

「★さん具合悪いんですか?」

「あぁ?なんでそう思うんだよい、ミント」

ミントは少し離れたテーブルの上を指差した。

手つかずの食事がそこに乗っている。

「★さん、一口も食べなかったんです。具合悪いのかなって」

みんながその食事を見つめる。

気づかなかった。

誰ひとりとして気づいていなかった。

「よく見てるよい」

「ナースですからね!!」

笑うミントは可愛かったし、ここのクルー全員思ってるはずだ。

仕事も期待以上にこなす。

自分が心配しなくても愛されるだろう。

それより、今はあの拗ねた妹だ。

「食事を取らないのもそうだが、★の様子がおかしいんだよい。気にかけてやってくれ」

マルコがそう言うとエースはわかった、と返した。


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