短編 | ナノ

愛、見つけた(4/9)



「★、もう終わったのかい?」

食堂を出る★にマルコがそう声をかけた。

「はい。もう済みましたので」

食事は手もつけずそこに置き去りにした。

さすがにコックに手をつけない食事を返す事は心苦しくて置いてきた。

誰も見ていないソレは、いつ気づかれるかもわからない。

ミントさんのお皿の上にはもっと食え、と他の人からいろんなものがおすそ分けされてたな。

しまいにはエース隊長も、私が隊長の好物だからと多めによそった肉もミントさんにあげていた。


「……ミントはうまくやってるかい?」

マルコの一言で★の中の何かが今度は弾けた。

「女同士何かとミントの役にたてるだろうよい。ミントのことよろしく……」

「私なんかいなくてもうまくやってますよ、ミントさんは!!!」

口を開けばみんなミントのことしか言わない。

あいつは新人だからお前がしっかり面倒見てやれ、と。

「★……?」

「ミントさんのことは気にかけなくてもちゃんとうまくやってます!!私なんかよりもずっと!!」

「★!!」

いたたまれなくなって★はマルコの元をさろうとした。

「どうしたんだよい!!」

「ほっといてください!!そんなに心配ならミントさんのところに行けばいいじゃないですか!!!」

私は、醜い。

天使のようなミントさんに嫉妬してる。

ミントさんが悪いわけじゃない。

みんなが悪いわけじゃない。

なのに、自分が上手くできないのをミントさんのせいにしようとしてる。

当り散らすしかできない私なんかに、誰が構ってくれるんだろう。

「……ほっとけねーよい」

マルコの言葉を聞かないまま★はその場を去っていた。




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