短編 | ナノ

愛、見つけた(3/9)



食堂に行くと、エースの分の食事と自分の食事を持って席をとった。

今日は何を話そう。

隊長の食べてる姿見てるだけで幸せなんだけどなぁ。

でも今日はもうちょっと話したい。

私のことも……見て欲しい。

祈るようにしてドキドキしながらその時を待った。




「★!!また俺の分とっといてくれたのか!!」

「エース隊長!!もちろんです!!」

空けてあった隣にエースが座ろうとした。


その時……

「エース隊長!!」

「おぉ!!ミント!!」

エースの視線はすぐにミントへと奪われた。

そして自然に座ろうとしていた★の隣の椅子を戻す。

当たり前のようにしてミントの席へと向かうエース。

★を置き去りにして、なかったようにして……。

★には、まるでスローモーションのように見えた。

エースが去っていく背中が、ゆっくりと微笑み合う2人になる頃には★はもう、笑うしかなかった。

楽しみに、してたのに。

この時間だけは、取られたくなかったのに。

いとも簡単に奪われてしまった。

長い間待ち望んでいた時間なのに……。

一瞬で、奪われてしまう。





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