短編 | ナノ

愛、見つけた(1/9)


b>愛、見つけた




「エース隊長!!こっちです!!」

「おぉ!!★!!」

食堂でエースの分の食事を用意して席を確保する。

これは★が毎日日課にしていること。

「いつもわりぃな」

「ぜんっぜん!!エース隊長の好きな物、多めにもらってきましたよ!!骨付き肉!!」

「おぉぉ!!さんきゅー!!」

この笑顔を見れるなら、30分前に食堂で並んでることなんてへのかっぱ!!

★は満足そうに笑った。

「そう言えば新人ナースが入ってきたみたいですね?この間の島で。」

「……そ、そうだな!!」

「???」

いつもと違うエースに★は違和感を覚えた。

「なかなか頑張り屋だぞ!!一人一人の名前覚えたいからって隊長のやつらに聞いて回ったり」

「そ、そうなんですか」

「それに早く慣れてェからってナースにしちゃぁ珍しく俺たちの健康チェックもしてくれるしな!!」

ニカッと笑うエースに★は、そうですか、と返した。

エースが新人のナースを褒めちぎっている間、★はそうですか、としか言えなかった。

嫌な予感がする。

こんな風に焦るエース隊長も、照れたように真っ赤になるエース隊長も知らない。

ずっと、ずっとずっとずっと、エース隊長を見てきたけど

こんなエース隊長は見たことがない。

ズキンと音を立てる心臓は次第に大きな音を立てて早まっていく。

どうか、どうか……思いすごしでありますように。

★は食事を半分以上残してエースにそれを譲り席を立った。



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