短編 | ナノ

幸せのいるところ(4/7)


「なんかあったのかよい?」

エースはとっくにいなくなっていて、私はマルコ隊長に出来上がった書類を持ってきていた。

「え?」

「後半の間違えが半端ないよい」

「す、すみません!今すぐ!!」

そう言って書類を取ろうとした私にマルコ隊長はひょいと書類を上に上げた。

「今日はもう休め」

「いや・・でも・・」

「押し付けたのは俺だ。悪かったねい」

そう言われたのがなんだか悔しいというか・・恋に振り回されているような気がして嫌だった。

「ハァ・・じゃぁ付き合ってくれ」

「え?」

「直し、一緒にやれば早く終わるだろい」

マルコ隊長は本当によく見ている。

「はい!」

救われた気がした。

そこからは仕事に集中できた。



「・・い、おい」

「・・ん?」

「もう朝だよい?」

「え・・?えぇぇぇ!?」

・・・ん?なんかごく最近同じ事があったような・・

でも目の前にいるのはエースじゃなくてマルコ隊長だった。

「朝飯、持ってきてやったよい」

「あ・・ありがとうございます」

昨日マルコ隊長の部屋で書類を直してそのまま寝てしまったらしい私。

マルコ隊長がベットまで運んでくれたんだろうか?

熟睡してしまった・・・。

「ありがとうございました」

「いいよい」

頭がボーッとする。

とりあえず寝よう、そうしよう。

マルコ隊長の部屋を出ると眩しくてクラっときた。

「・・っと、危ないよい」

「すみません」

コケそうになった私をマルコ隊長が支えてくれた。

「歩けるかい?」

「大丈夫です。今日は・・」

「あぁ休んでいいよい」

その日一日、私は眠りについた。

なんも考えたくない。

よかった、疲れてて寝れそうだ。

この疲れがなかったらきっと、私は眠れないんだろう。

エースとあの子の事を考えて・・

夢にまで出てくるんだから。




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