短編 | ナノ

女、男(6/8)



「ちょっ、痛い!痛いってば!!」

「痛い目見ねぇとわかんねーだろ!!」

「待ってって!!」

エースはこちらをチラりと見ると舌打ちをしてジャケットを脱いだ。

そしてバサっと私にかけると

「見てんじゃねぇ!!」

と一括した。

胸がはだけていたらしい。

なんなんだ、何が起こってるんだ。

ぐるぐると頭の中で考えていると

宿の一室に連れこまれ・・・

「・・った!!」

ベットへと放り込まれた。

「なにす・・」

エースを睨みつけようとする私の目をエースが射抜いた。

怒ってる・・

「エース・・?」

「誰でもいーのかよ、お前」

「え?」

今にも燃えそうだ。

ジリジリとベットに寝ている私に近づいてくる。

動けない・・。

そっと起きようとした時、腕を掴まれた。

「誰でもいーなら相手してやるよ」

そのままベットに押し付けられた。

「ちょっ、エース!!」

「あいつとこーいうことしに行こうとしてたんだろ?なぁ?」

乱暴に唇を吸われる。

「んっ・・んんっ」

「ハハハ、やべぇな」

エースは自分のシャツを脱ぎながら言う。

「とうとう俺もイカレちまったみてぇだわ」

上半身裸のエースなんて見慣れてるはずなのに、なぜか色っぽく見えてしまう。

「お前が女に見える。すっげー欲情するわ」

固くなったそれを押し付けられる。

「エース・・ちょっと・・待って・・」

「待てるかよ、散々煽っといて」

「煽ってなんかなっ・・やっ」

「や?いいの間違いだろ?」

首筋を撫でるエース。

その指がだんだん下に降りてきた。

「エース、本当に、もぉ・・ん」

胸に手が降りてくる。

焦らすように輪を描く指先。

思わず身をよじる。

「邪魔、だな」

思い切り服を破かれる。

「やっ、エース!」

体を隠そうと手を動かしたけどエースはそれを許してくれない。

「結構いい身体してたんだな、お前」

恥ずかしすぎて顔が見れない。

急すぎてついていかない。

何がどうなってるのか、今目の前にいるのはただの男だ。

仲間でもない、さっきまで自分を女として見ていないと思ってたのに思いっきり女にしか見られていない。



「こっち向けよ、★」

「やだ・・」

「・・・おめぇが悪いんだからな」

「え?・・やぁ!ん・・」

エースはいきなりペロリと乳首を舐めてきた。

手もそれを弄っている。

「やぁ・ぁん・・も・・ハァ・・」

エースの手が下のほうに伸びる。

「んぁ・・や・・エース・・やだぁ」

「黙ってろ」

エースに唇を塞がれた。

キス、されている。

もう、どうでもよかった。

なぜこの男が自分を抱くのか、

そんなこと考えられなかった。

ただ、私が抱かれたい、その欲望しかなかった。

わかっている、虚しいだけだ。

だけど・・

「あっ、エース・・んんっ・・」

「声、聞かせろよ」

「やっ、あぁっ・・はぁん・・」

クチュクチュと音を立てる女のそれに恥ずかしさが増す。

「やらしいのな」

「やだっ・・言わない・・んぁ」

「あの男ともこういうことしようとしてたのかよ・・・?」

「エー・・ス・・ぁ」

「あいつらとも・・!!」

「エー・・あっ!」

急に怒り出すエース。

でもそんなこと気にしている余裕なんて既になかった。

離れた指がもどかしくて、もっともっととすがってしまう。

「★・・」

「ん・・あぁっ!!」

指を抜かれたそこにエースが入ってくる。

「エース・・!」

「・・くっ・・」

お願い、今だけは・・今だけは甘えさせて?

ギュッとエースの背中を抱いた。

今だけは縋らせて。

私のものだと言わせてください。

「エース・・!!」

何かに夢中で、私たちは一晩中そうやって過ごしていた。








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