短編 | ナノ

君の隣で(4/9)


──キーンコーンカーンコーン

「終わった・・」

あれから勉強どころじゃなくて数学は大惨事。

あー泣きすぎて目が痛い。

「今日はいつもにまして不細工だよい」

「ほっとけよい」

違うクラスなのにいきなり現れたマルコにいつものようにパイナップルをいじる気力もない。

「おっ!★!!早くあいつなんとかしてくれよー!」

エースとマルコとサッチは同じクラス。

私は別のクラスなのになぜだかサッチまで教室に居た。

「超絶に機嫌悪いんだぜあいつ!なんもしてねぇのに危うく殺されかけた!」

サッチは私に八つ当たりをするエースを止めて欲しいと頼みに来たんだろう。

「私が行ったってかわんないでしょ」

不機嫌なエースに喧嘩ふっかけるだけだし。

「かわるから来てんじゃねーか!」

「そぉ?」

「そうだよい、早く来い。面倒くせぇよい」

マルコとサッチが背を向いてついてこいと言うが行けるわけがない。

「行かないよ」

「え?なんでだよ!」

俺殺されちまう!とサッチが可愛くないブリっこをした。

「不機嫌の原因はお前かい」

「・・さぁ?」

「その不細工が原因かよい」

「不細工言うな」

「早く仲直りしろよー!俺が仲裁してやろうか!?」

な!?と焦るサッチ。

どんだけエースが怖いんだ、サッチめ。

「いや・・喧嘩とかじゃなくて・・絶交?」

「「ハァ!?」」

いいハモリで盛大な音量で二人は言った。

「な、なななんでだよ!」

「え?」

「熱でもあんのかよい」

「はぁ?」

あまりにビックリする二人にこっちがビックリだ。

「私たちが絶交ってそんなに重大ニュースなわけ?」

「あったりまえだろ!!エースに彼女ができたって絶対居座ってたくせに!」

居座ってたって・・そりゃそーだけど・・。

「私だってお年頃なのよ、いろいろあるの、いろいろ」

私はそうやってはぐらかすと教室からでていった。

「っ・・!」

教室から出た途端、目頭が熱くなるのを感じた。

ヤバイ!

なんとかこらえて空き教室に入った。

コントロールが聞かない涙腺にうんざりする。

止まれ・・止まれ、と歯を食いしばるけどなかなか涙は止んではくれない。

でも、ここ・・・なかなか穴場だなぁ。

なんて考えていると

──ガラッ



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