腹を満たすために意気揚々と冷蔵庫を開けてガクリと膝から崩れ落ちる。すっからかんの上に僅かに残っていた食料は期限切ればかり。ここ数日、ほぼ会社にいたのを完全に忘れてた。最悪だ。
「何してんだよい」
「食う物も飲む物もねェ」
「…今までどうしてたんだ」
「忙しくてほぼ会社で過ごしてたんだよ。仕方ねぇ買いに行くか」
「?今、夜中だぞ?」
「夜中でも空いてるとこがあんだよ。おっさんの服とかも買わねえといけねえしな」
「…お前みたいなガキが外にでたら、ケーサツとやらに捕まるのがオチだな」
「あぁ!?誰が童顔だって?もう一回言ってみろ」
「はっ、お前だよい」
「このおっさんッ!」
マルコの腹めがけて出した拳は、頬を思いっきりつねられ空を切った。
「いたいいたいいたいいたい!!!」
「おっさんじゃねえよい」
「わかった!もう言わねえよ!」
「ほんとにわかったんだろうな?」
「わかった!わかったから!マルコ!!」
ようやく解放された頬を摩りながらマルコを睨めば、したり顔で見てきた。何だこのおっさんほんとに可愛くねえな!いや、おっさんが可愛いわけねえんだけどさ。どうせトリップとやらをしてくるなら、可愛い女の子がよかったのに。まぁそれもそれで怖いけどな。
そんなことより、買い物が先だ。手っ取り早く済ませるならド○キだな。


無事に買い物を終え、帰宅。買い物袋から冷蔵庫へ買ったものを移す。肉、野菜、冷凍食品、水、お茶、牛乳…………酒。
「…」
「っく、こっち向くなよいっ」
「いつまで笑ってんだ!」
「ほんとにっ、年齢確認されるとは…っ!」
「クソウゼェな!!!!」

人は見た目で判断するもんじゃない

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