09
なんと月夜の美しき
運命だけがすべてだなんて
なんて君は惨めなんだい
もっと広い世界をさ
知ってみようと思わないのか
この世に残した未練たち
ぬいぐるみでさえあたしをわらう
そんなに可哀想に見えたかしら
流した量が多いだけ
涙で腫れた瞼には
思い出だけが残る街
知って知らずか分らず屋
等身大のお人形
流れる黒髪
残酷な物語に潜んだ歓喜
ナイフとフォークでいただきます
髪は烏の濡れ羽色
頭のてっぺんから爪先まで
余す所無く食べ尽す
暖かな布団に身をうずめ
包まってほら、おやすみなさい
涙は枕を濡らすだけ
何にも役に立たないわ
精神安定させてください
グラスはとっくに割れたのに
あたしの幸福理論
誰にわかるっていうのよ
適度な距離が安心するの
ゴミ溜めみたいな世界に終止符を