『ちゅー訳で心当たりないんか光。』



「何がや。」






朝練を終えて教室に入った途端待ち構えていたらしく(双子だからクラスは別)俺の席に座っていた灯が喋り出す。
いきなり何を言い出すんやこの妹は。
主語付けろや主語。
ま、ええわ適当に聞き流すフリでもしながらしっかり聞いとこ。
は?なら最初からちゃんと聞いたれって?
うるさいわアホ!






「何の心当たりやねん。俺に聞くなや。」



『お前相変わらず話す前から聞く気ゼロやな。今日朝に一目惚れしてん。』



「へー…ぇええ゛!?






なん…だと…!?
アカン標準語なってもとったわ。



ちゃう、ちゃうちゃうちゃうて!!






「ひ、ひひひひひ一目惚れて誰に!?誰に!?」



吃りすぎや。お前大丈夫か?』






ガッターン!!という音をたてて立ち上がるが周りの人間は「あぁまたか。」という感じで気にも止めない。
俺が灯の事で騒ぐんはいつもの事や。
近所の不良とケンカしたらすっ飛んでって不良をボコボコにし、運動会で一位になれば灯を背中に担ぎ上げて町中を駆け回った。
シスコンって言われたって構わんわ。



それよか灯の一目惚れや。
場合によっては相手は半殺しの刑や。






『えーっとな、きれーな金色の髪しとってな。』



「おん。」



『へにゃって笑った顔がめっちゃ可愛くてな。』



「おん。」



『自転車抜かすぐらい足めっちゃ速うてな。』



「お…ん?」



『あ、テニスバック持っとったから多分テニス部「待て待て待て。」は?』



「それ絶対謙也さんやろ!!」






アカン、心当たりありすぎるわ!!
ちゅーかその特徴謙也さん以外ありえへんやろ!!
何で一目惚れしてんあんなヘタレに!!






『……光心当たりあるんやな?ほんでその人ケンヤさん言うんやな?』



「あ、」






【口は災の元】






(しもた…最悪のパターンや…!)(何年何組?なぁ教えろや光!)(あぁ、もう!)

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