結局仁王先輩何してたんだろう。
そんな事を考えながら屋上へ向かう。
今日は丸井先輩の「昼休み屋上集合な!」の一言でレギュラー全員で昼食を取ることになっている。
屋上のドアを開けるとまだ誰も来ていなかった。
あれ?先輩達の方が教室近いのにな。
取り敢えず適当に座って先輩達を待つ。
すると幸村先輩とジャッカル先輩がやって来た。
「あれ?他の先輩達はどうしたんすか?」
「真田と蓮二は今日は購買で何か買いに行くんだって。」
「へー…珍しいっすね。」
「ブン太もそれに便乗してお菓子買いに行ったし、柳生と仁王はちょっと職員室寄ってから来るんだって。」
仁王、という言葉を聞いてさっきの仁王先輩の様子が頭に浮かんでくる。
「そういえば、4時間目に仁王先輩見たんですけど」
「赤也…サボりかい?」
「違いますよ写生だったんです!んでそん時の仁王先輩がですね…。」
俺が幸村部長に経緯を話そうとした時、バンッという凄まじい音と共に誰かが屋上に転がり込んできた。
三人でそちらを見ると、
「「丸井(先輩)と仁王(先輩)!?」」
「おー幸村くんに赤也にジャッカル。なんか顔合わせた瞬間に逃げやがったから捕まえてきたぜぃ。」
鮮やかな赤毛の丸井先輩と手首を捕まれて連れて来られたらしい半泣きになった仁王先輩だった。
ただし仁王先輩は4時間目の時の様に女子の制服を着ている。
「仁王、お前女装趣味でもあったのか?」
『プリィッ!!放してくんしゃいぃ!!』
「さっきからずっとこんな感じなんだよな。っていうか柳生と職員室行くんじゃなかったのかよ、どうしたんだよ一体?」
丸井先輩達が首を傾げていると再び屋上のドアが開く。
入って来たのは柳生先輩だ。
「あ、柳生先輩。仁王先輩がなんか変なんすけ「雅輝さん!?」ど……ってはい?」
なんか柳生先輩が必死の形相でこっちに走って来る。
つか、え?雅輝さんって誰?
柳生先輩は一瞬でこっちに来たかと思うと丸井先輩達から仁王先輩を素早く引き離す(全体的に早ッ!!)。
すると途端に仁王先輩が柳生先輩に抱き着いて泣きはじめた。
『やぎゅー!!!!』
「はいはいもう大丈夫ですよ。というかなんでこんな事に…。」
蚊帳の外の俺達はポカーンとして二人を見ている。
え?これ本当に仁王先輩?
そんな空気を無視して屋上にまた誰か入って来た。
「柳生早いぜよー…って、雅輝?お前さんウイッグどうしたんじゃ?」
「「「仁王!?」」」
【発見、後捕獲。】
(え!?仁王先輩が二人!?)(どうなってるんだよぃ!?)(プリッ?)
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