「む、仁王…妹の方か?」
『さ、真田…。』
定例の風紀検査の為校門で審査を行っていると、仁王妹が登校してきた。
当然だが本来なら朝練が既に始まっている時間帯なので仁王達はおらず、一人だ。
「仁王…前から思っていたのだが少しスカートが短くはないか?」
『え?これが普通じゃて雅治が…。』
原因は仁王(兄)か…。
「もう少し丈は長くするように。……そういえば仁王兄妹のその髪色は地毛なのか?」
『え、えーとな…「はーい、そこまでナリ。」ま、雅治?』
仁王(妹)に注意と質問をしていると、仁王(兄)が現れた。
「仁王…部活はどうした。」
「真田がウチの妹に絡んどるのが見えたから飛んできたぜよ。」
そう言ってあっかんべーの仕種をする仁王(兄)。
妹の方は会話を遮られてオロオロしている。
「雅輝、さっさと教室行きんしゃい。」
『ピ、ピヨ…。』
仁王(妹)を手を振って見送った仁王(兄)はくるりとこちらを向いてニヤリと微笑んだ。
「余計な詮索は無用じゃよ。」
「詮索などしておらぬわ!」
「どうだかのう…。そうじゃ真田。」
部活に戻るらしく再び向きを変えた仁王(兄)が去り際に俺に耳打ちする。
「雅輝と話しとる時、他の生徒に対してと態度が全然違うぜよ?」
【平和、校門。】
(何処が違うと…そこの茶髪!ネクタイをキッチリ締めぬか!たるんどる!)((そこだよそこ。))
最後のは話を聞いていた周りの生徒達の心の声です(笑)
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