『ち、ちょっと切原ええかの…?』
「へ?」
どーもお久しぶり、赤也っす!
部活が終わってゲーセンに行こうと意気込んでたら、柱の影にいる雅輝先輩に手招きされました。
雅輝先輩普段俺のこと怖がって近寄って来ないのに珍しいな。
しかもいつもなら一緒にいる柳生先輩や仁王先輩、一方的に可愛がってる丸井先輩が今日はいない。
「どうかしたんっすか?」
『じ、実はちょっと頼みがあっての…。』
俺に頼み?
一体何だろう。
着いた先はゲーセン。
あれ?頼みが有るんじゃないのか?
『あ、あんな。』
「はい。」
『ゲ、ゲームのやり方を教えてくんしゃい!』
「へ!?」
ゲーム!?
何で!?
『ち、ちょっと欲しい物があっての…。』
「あ、クレーンゲームっすか?」
『そ、そうじゃ…。』
なーんだ、クレーンゲームか。
雅輝先輩が案内した先にあったのは、爪が血塗れの某熊のぬいぐるみ。
なかなか凄まじい趣味っすね…。
『ああいう大きいぬいぐるみは取れんくての…。
小さいのも無理じゃけど…。』
シュンとうなだれる雅輝先輩。
そんな先輩が小動物チックで思わずキュンとする。
丸井先輩…今先輩の気持ちが良く解りました…!
「あ、あのっ!」
『?』
「こんくらいのぬいぐるみなら俺取ってあげます!」
『!ほんまか!?』
「はい!」
先輩が顔をキラキラさせる。
ヤバい、俺先輩がすっごく可愛く見える。
小動物だ小動物。
【平和、拡大。】
(き、切原!あれもええか!?)(はい!(うわ、俺これから絶対先輩甘やかすなぁ…))
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