放課後、何時も通り部活をする為にテニスコートへ向かう。
既に皆集まっている様で幸村君達は話し合いを。
ジャッカルはダッシュを。
赤也は壁打ちを。
仁王と柳生はラリーをしていた。
「む、遅れて来る等たるんどるわ!」
「悪ぃ悪ぃ。先生に捕まって話してたら遅くなっちまったぜぃ。」
理由を話せば真田も納得した様で赤也とラリーでもしておけ!と言ってきた。
赤也の所へ行く途中で柳生と仁王にも話し掛ける。
「よう。頑張れよ。」
「当然です。仁王君外周行きますよ。」
「プリッ。」
さーて、俺も赤也とラリーしねぇとな。
暫く赤也と打ち合っているとジャッカルがダッシュから帰ってきた。
その後に続く様に仁王と柳生も外周から帰って来る。
「んじゃ試合形式で仁王&柳生VS俺&ジャッカルな。赤也は柳にする事聞いてこいよ。」
「はいっす!」
『それじゃあ、やりましょうか。』
赤也が走り去ってそれぞれのコートへ別れた時ふと違和感を感じる。
先程はなかった僅かな違い。
何もおかしな事はないはずだ。
なんだ?
「おい、ブン太?」
「……なー柳生。」
俺が急に話し掛けた事で首を傾げる柳生。
仁王とジャッカルも疑問符を浮かべている。
『?…はい、何か?』
「どうかしたんか?」
やっぱり、違和感はここだ。
俺は恐る恐る口を開く。
「お前……雅輝だよな…?」
仁王と柳生が目を見開く。
柳生の眼鏡の奥で揺れる怯えた瞳が正解を物語っている。
確信した俺はもう一度口を開く。
「……お前は仁王?柳生?」
仁王の方を向いて言うと降参と言った様に両手を挙げた。
「私は柳生です。……そうですよ。彼女は雅輝さんです。」
「えぇえ!?」
驚いてるジャッカルを余所に髪を直し始めた二人。
ぐしゃぐしゃと髪を散らして眼鏡を取ればそこには茶髪だが琥珀色の目を潤ませた雅輝がいた。
仁王も髪を整えて銀髪だが正真正銘の柳生比呂士に戻った。
色は洗って落とせる髪染めを使ったらしい。
『プリ…。』
「それにしても丸井君よくわかりましたね。普通わかりませんよ。」
「んー…なんつーかな…。」
普段の俺ならわからなかっただろう。
でも何故かさっきはピンと来たのだ。
もし一言で言うならば。
「……愛故…なんつって。」
【発覚、後判別。】
(ま、丸井君んんん!?)(ちょ、柳生落ち着けよぃ!愛ってのはあれだよ!小動物的な!)(……つか柳生。お前は彼氏を選定する母親か?)
「愛故に」が口癖になりつつある丸井(笑)
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