仁王に双子の妹がいたという大ニュースはその日の内に学校中を駆け巡った。
仁王妹は押し掛けて来る生徒によってプチ見せ物状態の様でずっと怯えてるって幸村君が言ってた。



その仁王妹は今屋上で俺の隣(1mぐらい間隔あるけどな)に座って黙り込んでいる。
因みに赤也と仁王はちょっと離れた所でダーツ大会をしている。
仁王…学校にダーツ持って来んなよ。
そして赤也も乗るなよ。
……お前が言うなって?
うるせぇよ!



何故仁王妹が居るかと言うと答えは簡単、幸村君に頼まれたからだ。
この騒ぎのせいで怯えてるから一通り騒ぎが落ち着くまでサボらせる事にしたらしい(幸村君曰く「先生に許可は取った。」との事。一体何を…いや気にしたら負けだ)。



先程から沈黙が降りていてかなり気まずい。
これは耐えられねぇ。
何か話題…あ、そうだ。






「……なー仁王妹。」



『っ!?な、なんじゃ?』



「お前なんで俺見て怯えんだよぃ?」






仁王妹は少し俯いた後恐る恐る話し始めた。






『あ…あんな?』



「おぅ。」



『お、お前さんよくジャッカル叩いたりしとるじゃろ?』



「おぅ。」



『……それが怖いんじゃよ…。』






つまり暴力を振るうから怖いと。
ついでに聞いてみると赤也も赤目になるのが怖いから近寄らないらしい。
なーんだ、そんな事か。






「俺がジャッカルを叩いたりすんのはただのスキンシップだぜ?暴力じゃねぇよぃ。」



『そ…そうなんか…?』



「そうそう、愛故にってな。」






そう言うと少し安心したように顔を上げてこっちを見る。
なんだこのでかい小動物。
可愛い。
怯えた小動物みたいでめっちゃ可愛い。






「なぁ、仁王妹って言いにくいから雅輝って呼んでもいいか?」



『……え、ええよ…。』






その様子がまた小動物チックで思わず抱き着く。
『ピヨッ!?ぴゃぁああ!?』とか叫んでるけど気にしない。
うわー頭ふわふわ、つか全体的に細っ。
やべぇ俺ちょっと変態臭い。
あ、仁王が気付いた。
ってちょ、ダーツ投げんな!危ねぇ!






「チッ…外したか。」



「当てる気満々かよぃ!?鉄製のダーツだから死ぬっつーの!!」



「いっそ死ねばよか。」



「辛辣!!」






こいつこんな毒舌キャラじゃねぇだろ!
もしかして隠れシスコンか!?



そのまま仁王と言い合う俺が、今だ抱き締めたままの雅輝がパニックを起こしているのに気付くまで後15分。






【発覚、後遊戯。】






(そういえば何で赤也が赤目になる事知ってたんだ?)(まぁ試合見た事あれば知ってるか)

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