仁王の双子の妹がクラスメートだったという衝撃の事実を知った次の日、仁王妹は昨日言っていた通りウイッグを被らずに登校してきた。
仁王妹が教室のドアを開けて入ってきた瞬間、教室がシーンと静まり返る。
仁王妹はビクビクしながら自分の席に座っている。
取り敢えず俺は仁王妹に声を掛ける事にした。






「仁王さん。」



『(ビクッ)な、なんじゃ?』



「フフッ、おはよう。」



『お、おはよう…。』






と、クラスの人達の硬直が解けた様で一斉に俺と仁王妹に向かって質問が降り注いだ。






「え!?何で仁王君がこのクラスに!?」



「つか仁王さん何処行った!?茶髪の!!」



「てか何で女の制服!?なんかのペテンか!?」



「幸村もなんでそんなナチュラルに話し掛けれんの!?」






クラスメートの凄い剣幕に仁王妹が泣きそうになっている。
そりゃ臆病ならこの状態はキツいよね。



どうしようか考えていると何処からか高速で近付いてくる足音。
次の瞬間スッパーン!!という轟音と共にドアが開き、柳生が転がり込んできた。
よく見たら仁王もいる(柳生に襟を掴まれてるけど)。
お前らどれだけ心配だったんだよ。
いきなり現れた詐欺師コンビに教室に女子の黄色い悲鳴が響く。






「雅輝さん!!大丈夫ですか!?」



「や、やぎゅ、首…!首絞まっちょる…!」






柳生は仁王をぺいっと捨てて(酷い扱いだ)駆け寄って来る。
仁王も直ぐに起き上がって柳生に続く。
何処の親バカだよお前ら。
片方は兄バカだけどさ。



柳生がハンカチを仁王妹に差し出し仁王妹が仁王に抱き着いた瞬間、再び質問がクラスを飛び交う。






「仁王が二人!?とうとう分裂しやがったのか!!」



「いやこれも仁王のペテンとか…!!柳生に頼んで!!」



「バカ柳生君は今居るでしょーが!!」



「じゃあ何だっつーんだよ!?」






クラス大パニック。
仁王妹はとうとう泣いちゃったし。
仁王は妹を宥めてるし。
柳生はオロオロしてるし。
柳生…お前仮にも紳士なんだから落ち着けよ。
教室に入ってきた辺りから色々崩壊してるよ?



俺はこのカオスなクラスの現状に深く溜め息をついた。






【発覚、後混乱。】






(仁王の双子の妹だと知ったクラスメートが再びパニックに陥るまで)(後少し)

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