あぁ、楽しみで仕方ない!
明日は休日、しかも部活が休みの日。
普段と違うのは周助もレギュラー陣のミーティングか何かで部活が休みになるということ。
偶然休みが重なった俺達は一緒に出掛ける約束をした。
勿論、裕太も一緒。
そして次の日、俺達がやってきたのはストテニのコート。
ここでしばらくテニスをしてから駅前のクレープ屋に行くというのが今日の予定だ。
「兄貴!まず俺とやろうぜ!」
「いいよ、やろうか!」
『じゃあ俺審判ね。』
周助と裕太の試合を見ながらコールを入れる。
と、ストテニ場の入り口に見知った顔が現れた。
その人達を見た俺は周助達に断りを入れ、入り口の方へ向かった。
『ユーシ、向日!』
「お!不二じゃねーか!お前も来てたのか?」
「やっぱり皆考えとる事は同じか。」
しばらく二人と談笑していると、試合を終わらせたらしい周助達がこちらにやってきた。
「就也、彼等は?」
『あ、同じ部活のユーシと向日だよ。友達なんだ。』
「へーえ……。」
周助が納得した様に呟いた時、ちょんちょんと肩を突かれる。
そちらへ振り向くと困惑した顔のユーシと口をパクパクさせている向日がいた。
『どうかした?』
「いやいやどうかしたやあらへんて。就也、お前ソックリな兄弟おるなんて聞いてへんで。」
「そうだぜ!一瞬混乱しちまったじゃねーか!」
あぁ、そういえば言ってなかったっけ。
俺が口を開く前に周助が挨拶がてらに説明しだした。
「クスッ…初めまして。就也の兄の不二周助だよ。双子の妹が世話になってるね。」
「あぁ…俺は忍足「妹!?」……そういえば岳人は知らんかったな。就也が女やって。」
「君は知ってたんだね。忍足だっけ?よろしくね。」
「おん、よろしゅうな。」
二人が和やかに挨拶している間、まだ混乱しているらしい向日が俺と周助を見比べていた。
【交差して交わる】
(おい、お前姉貴の友達なのか?)(姉貴…やっぱり就也女なのか…。)(?)
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