「ユーシ!ダブルス練習やろうぜ!」



「おん。ほな行こか岳人。」



『じゃあ俺は…。』






部活でダブルス練習をする事になった。
跡部曰く、「ダブルスもシングルスも出来なくてどうすんだ?アーン?」と云うことらしい。
うん、言ってることは良いけど最後の喘ぎ声?はいらないね。
そういえば喘ぎ声って何?って聞いたらユーシにチョップされた。
「知らんでええ!」だって。
ま、いっか。



で、俺はダブルス練習の為にペアを探している。
先日仲良くなった共通点不明な向日とユーシコンビはダブルスを組む約束をしたらしく、コンビネーションを試してみるんだって。



誰かまだペア組んで無い人は…と周りを見渡すと、ポニーテールの少年と目が合う。
確か名前は…宍戸君だっけか?






「亮!ペア居ねーなら不二と組んだらどうだよ!」



「そーだな…よろしく頼むぜ不二。」



『ふふ、よろしく。』






宍戸君とペアを組み、準レギュラーの先輩と試合形式で試合を行う。






『俺前衛やってもいいかい?』



「あぁ、構わねぇぜ。」






元々俺が前衛タイプだったのと宍戸君がカウンターパンチャーぽいのを考慮してポジションを決める。



まぁ今回はボレーメインでやるつもりだけどね。
得意の身軽さを武器にしたプレーより技術を磨かなきゃ。






試合をやり始めて分かった事。
宍戸君結構守備範囲が広い。
俺が取り逃したボールにキッチリ追い付いてカウンターで綺麗に返す。
多少転ぼうが擦りむこうがお構いなしだ。






「どらぁっ!!」



『ふっ!!』






あっさりと試合に6ー1で勝利してお互いにハイタッチの様にラケット同士を軽くぶつけ合う。






『宍戸君って広範囲のボールが取れるんだね。カウンターも上手だったし。』



「サンキュ。名前は呼び捨てでいいぜ。不二もボレー上手いな。」



『ふふふ、ありがとう。』






ふと目をやると向日とユーシのペアも勝利していた。
本当に何であんなに息が合うんだろうあの二人。



宍戸は向日と幼なじみらしく、まるで手のかかる弟を見る様な目で向日を見ていた。
宍戸…もしかして兄貴役みたいに苦労してたのかい…?
取り敢えず健闘を称えて大量の擦り傷に絆創膏を進呈してみた。






【連鎖の連鎖】






(宍戸が兄でユーシが母親で向日が弟…か)(止めてくれ)(頑張れ苦労人)

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