『ただいまー…うわっ!』






家に帰ってきた瞬間待ち構えていたかのように抱き着かれる。
後ろにひっくり返りそうになるのをなんとか踏ん張り、くっついている片割れに笑い掛ける。






『ただいま、周助。』



「!お帰り、就也。」






途端に顔を上げてニコッと笑い掛けてくる周助にぎゅうっと抱き返す。
周助が学ランのまま着替えていない辺り、帰宅してからずっと待っていてくれたのだろう。
ずっと一緒にいた俺が居なくて寂しかったのかもしれない。
俺だって結構寂しかったしね。



玄関でぎゅうぎゅう抱き合っていると微笑ましそうに笑っている母さんと弟の裕太かやって来た。






「周助、就也、もう夕食の時間だから早く手を洗って入って来なさーい。」



「兄貴達はやく!食っちまうぜ!」






周助と二人で返事をしてリビングへ入る。
夕食を食べながら今日一日あったことを話す。






「あら、入学式間に合わなかったの?就也の方着いて行けなくてごめんなさいね。」



『ううん、多分着いて来てても遅刻だったからいいよ母さん。』



「……やっぱり俺、就也と同じ中学受ければ良かったかな。」






母さんと話している時にぽつりと呟いた周助に、俺は思わずデコピンをする。






『何言ってんのさ周助。周助は青学、俺は氷帝を受けたかったから違う学校を受けた。それでいいじゃないか。離れてても二人で一つ。違うかい?』



「就也…。うん、そうだね。どうせお互いシングルスプレーヤーもやりたいって思ってたしね。」






あ、でもまたダブルスもやろうね?という周助に笑顔で頷く。
俺達は二人で一つ。
でも最高のライバルでもあり、お互いが目標でもある。
同じだけど違う。
違うけど同じ。
だから別の学校を受けたいと思ったのだ。
ライバルとして戦うために。
周助も反対はしたけど直ぐに承諾した辺り、同じ様な事を考えていたのだろう。
その辺はやっぱり双子だ。






『氷帝は学年が関係ない実力主義だから、頑張らないとね。周助と戦いたいからね。』



「青学はレギュラーを決める校内ランキング戦に出られるのは秋からだから、絶対に負けないよ。就也と戦いたいからね。」



「『勿論裕太が入学したら裕太ともね。』」



「!おう!」






俺達に笑顔で言われて嬉しそうに返事をする裕太。
母さんもそんな俺達三人の様子に笑う。



出掛けている由美子姉さんが帰って来たら、また今日の話をして。
それで今度は兄弟四人で笑い会おう。






【兄弟の目標と競い合い】






((二人は強いから))(兄貴達は強いから)(((絶対に強くなってやる)))

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