覚醒度20%、というか、寝てはいないけど目を閉じたら寝るんだろうな、ってぐらいの感覚。

「研磨、眠い?」

「…眠くない、予定」

背中から包まれるような体温は、意識を手放すのを優遇しているようで心地がいい。

珍しく部活も無い休日。外は雨が降っており、昼だというのに若干暗め、だけどこの暗さが好きだったり。お決まりのように自分の部屋に来た幼馴染みは、前から見たいと言っていた他ジャンルの映画のDVDを数本持ってきていた。

ベッドから下りて床に座ろうとすると、声をかけられ相手の膝上へ。体格的にジャストでハマって、腕を後ろから回される。完全な定位置であるが、自分からは行けないな、と独りでに思う。多分、相手も分かってるから毎回声をかけて来るわけで、あぁ、敵わないな、と感じて思わず笑みがこぼれた。肩辺りに埋まっている頭を撫でると、すりよってくるのは甘えなのだろうか。


「映画切る?」

そのままの体制で観始めた映画は以前話題になった有名作品。無言で観るのはいつものこと、沈黙は気にならない。が、今回は自分の好みにハマらない。そこからの、微睡みだった。

「クロは観ないの?」

「研磨が寝るなら俺も寝る」

意外と面白くないし、これ。と告げられて、相手を確認。ちらり、と見ると視線がぶつかる。

「すっげー眠そう」

くすくすと笑いながら、頬を緩くつままれる。そんなに眠そうなのかな、と何処か他人行儀な訳だが、それが眠たい証拠かもしれない。

「…あー、やばい、可愛い」

「うるさい、」

いじる相手を放置していると、繰り出された言葉は歓迎できない。可愛いの感覚が可笑しいのだ、この人は。
ぺちん、と手の甲で相手を一喝。まあ、力なんていれていないのだけれど。というか、眠くて入らない。

「ね、むい」

「ん、どっち?」

「ベッド」

躊躇をしても、睡魔はやはり強かった。選択肢は膝上かベッドか。身体を相手に預けると、意図も簡単に抱き上げられてベッドの上へと降ろされる。横につめると、侵入してきた体温。
なんとなく、こちらから寄り添った。

「、どうした?」

そりゃあ珍しいかもしれないが、あからさまに驚かれるとこちらも恥ずかしくなってくる。

「寒い、だけ」

唐突な言い訳は、下手にも程があるだろう。顔を見られないように密着した。

「あー…、あー」

声を漏らしながらも抱き返してくる相手。

「くそ、可愛い」

懲りない台詞に芽生える呆れは、睡魔によって欠き消される。

「おやすみ」

「、やすみ」

贅沢な、休日だ。



∴グラスにワインを



























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