超攻撃型のチームであることは、今までの試合のスコアから予測できていた。…あたしの大嫌いなチームであるということも。

「…遊木さん?」

「どうかした?」

「…いえ」

怖い顔をしている自覚はある。でもみーくんには首をかしげて曖昧にしておくしかなかった。選手を集めるということは各強豪チームから青ちゃんみたいなのを連れてくるということだ。強ければ勿論個人個人のバスケに対するポリシーも相当強いだろう。そんな集団にチームプレーをしろなんていうのは難しいのかもしれない。征十郎くんみたいなカリスマ性があるなら別だけど。

「……やだな」

桐皇のプレーはどうしようもなく中学時代のキセキ達と重なるのだ。そんなバスケ、あたしはもう見たくない。

「このままやられっぱなしで終わるなどあり得ないのだよ」

「え?」

「誠凛には誠凛のスタイルがあるのですから」

みーくんに言われて我に返りコートを見ると、火神のスクリーンから誠凛の攻撃が始まっていた。伊月が切り込み、中→外で日向が3Pを決める。雰囲気的にクラッチタイムに入ったわね、これは。口許が弛んだのも束の間、再び桐皇の速攻だ。何回やられれば気が済むのかと溜め息をつきそうになったが、6番のすぐ後ろを走る影に気付いてやめる。

「さすが黒ちゃん」

―――が。
まだ高さがあり、どう足掻いたとしても黒ちゃんでは届かないのボールに何故か跳んだ黒ちゃん。当たり前だが、届く訳がない。

「黒子…だからお前はダメなのだよ」

隣のみーくんが溜め息をつく。けれど結局6番の手に届く前に火神がカットしたので追加点を入れられることはなかった。あぁ、冷や冷やした。



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