「赤司くんがPG、松谷くんがGで、緑間くんがSG、仁科くんはFで青峰がPF、紫原くんがCで間違いないかな?」
「ちょっと待てなんでオレだけ呼び捨てなんだよ!?」
「うるさい黙って」
君は第一印象が悪いからだって何回言えば…あ、思っただけで伝えた事は一度もなかったっけ。まぁ、いいや。そんなことより今はあと3分後にある試合のことだ。この試合でこの子達がどれだけ2軍レギュラーに食いつけるかで、私の観察眼を見せることが出来るんだから。
「スタメンは仁科くん、赤司くん、松谷くん、青峰、紫原くんでいきます」
名前を呼んだ5人に先にビブスを渡していき、そのあとに残りの2人に渡す。
「多分、2軍はいつものスタメンを出してくるはず。とすれば、最初の攻めは7番からの速攻か、それを止められた場合の6番の3P」
「だが、それをこっちが読んでる事は勿論あっちだってわかってるはずだ」
「勿論そんなことわかってます。でも、だからこそあっちはそのままのプランで突っ込んでくるはず」
「…こっちの力量を測るため、か」
「ビンゴ。だからこっちはそれを完璧に止めて、一気に流れを引き込むの」
イスの上に置いてあったボードを引き寄せ、選手に見えるように傾ける。番号のかいてある磁石をジャンプボールでつく位置に動かす。
「勿論だけど、ジャンプボールは紫原くん。君はそのあとすぐにオフェンスに備えてゴール下まで戻って」
「止めに行くのは?」
「6番を止めるのは、仁科くん。ジャンプボールには参加しなくていいから下がっといて」
「うーす」
「必ず止めてね。次、パスがどっちに行くかはわからないから赤司くんと松谷くんで両サイドカバー」
「わかった」
「はい」
「オレは?」
「余った選手についといて」
「はぁ!?」
叫ぼうとした青峰の頭をぱちんと叩いて止める。別に適当に言ってる訳じゃない。
「お前は先制点を確実に取るために一番必要な中継なのだよ」
「緑間くんの言うとおり。君が一番責任あるの、わかるよね?」
「……………任せろ!!」
あぁ、単純な奴でよかった。
緑間くんと目を合わせて口パクでお礼を伝えると、彼は会釈で返してくれた。うわ、紳士だ。なんてどうでもいいことを考えていると、思いの外早くタイマーがミーティング終了を告げた。
「っしゃぁ!行くぜ!!」
「オフェンスは赤司くんと松谷くんの2ガードから初めて、ディフェンスは紫原くん中心の2・3ゾーンでいきます」
好きなだけ暴れておいで!ノリで言っただけなのに、全員が人の悪い笑でにやついたのを見てしまって言葉を間違えたんじゃないかと思わず後悔した。
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